番外編とか
□あの子のようになれたなら
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──いたい。
躯が疼くのを感じながら、伴う痛みに瞳を潤わす。
「……たまには口を開いて言ってごらん」
言われ微かに開いた口を見ると、ヤジは言葉紡ぐことさえさせずに唇を合わせた。
舌を絡める際に出る吐息が互いの興奮を掻き立てる。
「……嘘つき」
息切れながら呟くその姿。
惜しくも唇を離すと、首元に細腕が絡まる。
「もっと……」
「なに」
「……もっと」
苦しそうに喘ぐジュウを見下しながら、わざと顔を遠ざける。
引き止めて寄せようとする細腕が愛しく思える。
「お願い」
あまりに潤んだ瞳でそう訴えるから、ヤジは苦笑しながらその紅い唇に舌を這わせてやった。
──いたい。
時折聞こえるその声に、悲しく瞳を伏せながら。