ミュージックLOVE#
□Dear
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「いってきます!影山」
麗子は写真の彼に微笑むとタクシーで現場までいくのだった
無事、凶悪殺人犯を捕まえ、早く上がった麗子は影山とデートで行った帰り道の途中にある公園に一人座った
「ハァ、」
「…お嬢様?」
頭の中で聴こえる君の声が今も私の心を揺さぶるの…
記憶の中の貴方は優しく微笑んでいるんだもん
麗子は静かに目を閉じて懐かしむように記憶をたどった
「お嬢様!公園でよろしかったのですか?」
「帰り道の途中にある公園なんて何か素敵じゃない?たまにはいいかななんて!」
「…そうでございますね」
「あ!影山見てぇ!この桜!」
「ほぉ。綺麗な満開でございますね…おや、しかしこの蕾だけまだ花を咲かす様子もございませんね…」
「本当だ。しかも何か元気ないわね」
寂しそうに蕾をみる麗子の手を影山は優しく握った
「影山?」
「お嬢様。私、貴方に出逢い、一緒に過ごし、素敵だった思い出を一生忘れません!」
「へ?ふふ…何よ。変な影山」
にこにこと笑う麗子とは対称的に影山の表情は少し曇った
「…私、お嬢様のこと…。いえ、私は何時も貴女を観ているということ。それだけは心に…どどめておいてください。」
変なことを言う影山に流石に違和感を持った麗子は胸騒ぎに襲われた
「…影山っ?あなた…」
「今までありがとうございました。」
何で?あのとき気づいていれば…私は…本当に馬鹿者だ。ごめんね影山…苦しかったよね?
あなたが最後に言った言葉、今までありがとうがずっと鳴りやまないのよ…