□出逢い 一章
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高校生になった春。

俺、藤堂樹雷は恋に落ちた…。


俺が恋に落ちた相手とは、県内一名門校で有名な男子蓮花蛍学園の入試テストを主席で入学し遊ばれた、この男深山十夜だ。大事なことなのでもう一度言おう…男に恋をした。

きっかけは、入学式の最初の方にやる入学生がなんか言うやつだった。


今まで、男になど興味などない俺が何故!?

…たぶん、理由は容姿にあると俺は思う。

まず、そのへんの女より綺麗で可愛い。そして、右目のミステリアスな雰囲気を醸し出す眼帯。そして小鳥のさえずりのような声…。

…って!?いかんいかん!どうした俺!!俺の脳みそよ、なにがあった!?っと思いあっというまに、一週間が過ぎる。


ちなみに例の男、深山十夜とは同じクラスだった。

深山は、正直言うとちょっと近寄りにくいタイプだった。クラスのやつらが話しかけても、頷くか生返事。お前はどこのエリ●様だ!?っとでもいってやりたくなったぐらいだ。

俺は俺で、クラスのやつらとすぐに馴染んで一緒に遊ぶようなダチもできたが…。

どうやら、深山は今だ壁を作っているらしい。

しかし、綺麗な顔してんな…

…って俺!気は確かか!?相手は男だぞ!?お・と・こ!!あぁーもういい考えるな!俺!!


そうこう考えているうちに昼休みになった。


「よっ!暇か??」

「またうぜぇのが来た…」

「なんか言った??」

「べっつーに」


こいつの名前は、波原深一。見た目はなんかチャらいけど、なんだかんだでいいやつ。


「そういえばさ、深山っていつまで眼帯つけてんだろうな。」

「いきなりなんだよ、波原。」

「いや、見えにくいんじゃないかなって思っただけだよ〜?」

「本当か?なんか、深山を見る目が厭らしかったぞ?お前。」

「失礼な!俺の目かなり綺麗に澄んでるだろ!?」

「いや、俺には週刊エロマガジンを毎週買ってるようなただの変態の目にしかみえねぇな。」


「なんで、俺が毎週楽しみにしてるベストスリーを知ってんだよ??」

「お前の眼見てたら、誰でもわかるっつーの。」

「きゃー!おまわりさん!ここに俺の脳内覗く痴漢がいまーすぅ〜!!」

「誰がお前に痴漢するか!お前が女の子だったとしても俺はしねぇーよ!!」

「えっ?俺以外の女の子だったら痴漢するの?藤堂ったら…かっこいい顔して、考えることはムッツリスケベだな〜」

「こいつ腹立つ〜!!」

「ははは!!藤堂顔真っ赤!!」

「うっせぇ!」


キーンコーンカーンコーン


「ふー、おわったおわった!!藤堂帰ろうぜぇ!!」


「わりぃ、先に帰っててくれ。」

「えー?なんでだよ??」

「あー、俺呼び出しくらってんだわ」

「まさか…喧嘩か!?うわーお前ひそかに隣の高校の女子にモテてんもんな…ご愁傷様。」

「ちげぇーよ!俺、スポーツ推薦で受かったんだけど担任から話があるがどうたらで呼び出しくらったんだって!」

「マジか…んじゃ、先帰るな!ダーリンまったねーん!」

「誰がダーリンだ!!」






「失礼します!雨宮先生はいらっしゃいますか?」


「おお!来たか期待の星!!」


「はぁ…」





話の内容は、簡潔に述べると野球部に入ってくれということだった。ただでさえ剣道部に入っているのに運動部を兼部しろと?冗談じゃないと思い、丁重にお断りした。




「剣道部もだいぶキツイってのに兼部って…ふつう無理だろ…」




俺は教室に戻り、さっさと帰宅しようとしていたのだが、教室の中に誰かいる…しかも何故か入ってはいけないような雰囲気満々のオーラが…




『…ちょっ…やめっ…!離せよっ…!』


[てめぇ、なよなよしてて腹立つんだよ…]


《なんか、面倒だし髪とか切ってやろうか?女みてぇに伸ばしてっし、?》


『やめろっ…!ふざけんなぁ……!』





あれ…?この声深山…?しかもリンチにあってるくさい?助けてやったほうがいいのか?こうゆう時って…




{つーか、いつまでも眼帯なんかつけてんなよ。いっそこれもとったらいいんじゃねぇ?}


『やぁ…っ…!』


《マジ女みてぇ〜、下ついてんのかよ?》


[脱がしたらわかるんじゃね?]


『…っ!』


「はいはいー、お前らとっくに下校時刻だぜ?帰んねぇのか?」


{っせぇな…空気読めよ?てめぇ…}


「わりぃーな、生憎空気は吸うもんだと思ってっから。」


{っち…!めんどくせぇ、行くぞ。}


「…立てっか?」




不良どもが教室から去った後、尻餅をついていた深山に手を差し出した。もしかして、今の俺かっこいい?っとか思っていたら、いきなり頬に痛みが走った。


「余計なお世話。」


そう言って、俺を蔑むと教室を後にした…。


「…はぁ!?助けてやった俺がなんで殴られんだよ!?おかしいだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」




こうして、俺の学園生活は始まった。
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