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□出逢い 一章
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「あぁー!いらつく!!」
「えっ?何があったの?」
「あぁ?なんか昨日の放課後、リンチにあってた深山を助けてやったのに殴られた…。」
「あら〜そうなの?樹雷ちゃんかわいそうねぇ〜」
「なめてんのか?」
「いいえ、舐めるのは可愛い女の子だけで結構です。」
「うわぁ...〜にしても腹が立つ!」
「そんなに言うなら、本人にそう言ってやれば?」
「〜〜〜そりゃいいアイディアかもしれんな…だが、昨日関わった感じのあいつだと、ぜってぇ砂糖に群がる蟻を見るような目で俺をみてくるぜ?…あっそうだ!!」
「なになに〜?面白いこと?」
昨日のことで腹が立ってしょうがない。俺なんも悪いことしてねぇのに!!寧ろ、いいことしたぞ!?俺!と思い。若さゆえなのか、帰りに深山の家まで尾行し、いたずらして帰るという卑劣な行為をしようと、俺はにやけ顔で放課後を待った。
「マジでやんの藤堂??」
「あぁ、俺はマジだ。」
「俺なんでこんな奴の友達なの?今なら、クーリング・オフできる??」
「無理だな。八日間過ぎたし。」
「なん…だと…って、深山教室出たけど、いいのか??」
「ダメに決まってんだろ!!行くぞ!!」
「マジかよ〜」
俺たちは早々に、教室を出た。
「おい〜マジやめようぜ?パフェ奢ってやるから、な??」
「いいや、ここでやめたら男が廃る!だから…俺は進むよ…この先なにがあっても…」
「藤堂…って騙されねぇぞ!!後半なんかカッコいいセリフ言っててもなぁこれ犯罪だからな!!??」
「ちっ!お前なら騙されてくれるって、俺…信じてたのにぃ!(裏声)」
「やめろ!その声なんか怖い!ってか、もうかれこれ一時間以上歩いてんだけど、まだ家つかねぇのかな…?俺、くたくたなんだけど…」
「だよな…、徒歩での学区内ならとっくに過ぎてる…」
俺たちは来たこともない山道を通ったと思ったら人が賑わってる町に来ていた。
「う〜ん、あっ!!!藤堂!後ろ!!!」
「へっ?うぉ!!」
「さっきからずっと俺についてきて何の用?」
少し目を離した隙に、深山は俺の後ろに立つていた。
そして、氷のように冷たい声色でそう言い放った。まあ、これで許されようものなら俺は遠足気分に浸ってるだろうに…しかしこいつ魔眼でも持ってるのか?見えてるのは片目だけだとゆうのに嫌に迫力がある。
「いやぁ…あの…」
「べっべつに藤堂も悪気があってストーキング行為にふけっていたわけではないと…」
「藤堂?あぁ、昨日の…もしかして俺が昨日君に殴ったのを根に持って俺の家までつけて、いたずらして帰ろうって魂胆?」
「「(バレてるぅっ!!??)」」
「その顔は図星だよね。本当器が狭いやつは…やることが小学生並み」
「確かに、顔に似合わず藤堂はやることがガキだな。まるでガキ大将〜」
「お・れ・は・ジャイ●〜ンガキ大将〜♪」
「…ぷっ…」
「んっ?なんか言ったか?」
「…くだらないっていったんだよ。」
「どうも。お褒めのお言葉ありがたき幸せ」
「いや、藤堂これ明らか褒めてねぇよ?大丈夫か??」
「大丈夫だ、問題ない。」
「…まぁ、今回はいいけど次やったら流石に通報するから」
「「は〜い」」
「…って、なんで言ったそばから俺について来てんの?」
「いや、だって帰り道知らねぇし」
「俺も、藤堂が半無理やり連れて来たからな…帰り道わかんねぇ〜」
「…そこの茶髪ワカメはともかく、波原くんはわかるんじゃない?入試試験、確か2位でしょ?」
「茶髪ワカメ言われたぁ…!?」
「まぁな〜でも、まだ深山君の家知らないし、せっかくここまで来たんだから見ていきたいな〜っと」
「お前、俺に半ば無理やり連れてこされたとか言ってたけどノリノリじゃねぇか…」
「だって〜ここまで来たら知りたいじゃん〜」
「…君らもしつこいね。…別について来てもいいけど、俺に家なんてないよ」
「あっ?家がないってどういうことだよ?」
「まんまの意味だよ。何か問題が?」
「えっ?じゃあ、深山君どうやって生活してんの??」
「…ずっと、一日の大半その辺歩いてるけど…寝るとこは人気のない公園とか、ご飯は協会とかの配給。これで満足?」
マジかよこいつ…。だから、こんなに細いのか?長袖だから気が付かなかったが、結構傷だらけだし…なんかこいつのそういうとこ見てらんねぇ…だからか、とっさに言葉が出た。
「うちに来い」
「はぁ?」
「だから、うちに来い」
「結構です。親のすねかじってるやつはさっさと帰れば?ご家族が待ってるんじゃない?」
「確かに、俺は親のすねかじってんけど。親、大阪だから居ねぇよ!」
「あっそ、」
「でも、深山君。今までずっとその生活だったわけじゃないよね??」
「君たちに、関係ないだろ?俺の生活がどうだって、もう用ないだろ?じゃっ、俺はこれで」
俺の半プロポーズを翻し、深山はさっさと人ごみへと消えていった。
畜生俺は諦めんぞ…っと呟いてたのが波原には聞こえたらしく、鏡の前で自分の白髪を抜こうと頑張ってるオヤジを見るような目で俺を見ていた。