人狩り編
□第一章
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わけが解らないが、急いで着替えトーストを咥え玄関を出た。
これが転校してきた女子高生だったら、最強の絵になってたろうな。
さてさて、玄関の外では、本当にに女の子が待っていた。
意味がわからない。
?『つ、翼くんかな?…かな?』
体が一瞬にして固まった。
…え?………誰?
ってか
…ちょっと…可愛い…!!
咥えていたトーストが落ちた。
?『あっ、落ちちゃったよ!…あ…あれ?違ったかな?…かな?』
急に女の子がオロオロし始めた。
朝の男子学生と女子学生。オロオロする女の子。落ちているトースト。
シチュエーションが違ったら、この2人は確実に結ばれていた。
などと、妄想している暇はなかった。
その女の子は、本気で涙が出てきそうになっていた。
翼『あ、いや、俺翼…だけど…』
あわてて答える。
すると女の子の顔が急に明るくなった。
?『よかったぁ。早く行こ!魅ぃちゃんも待ってるよ!』
翼『え?…あ、うん。』
なんだこの感情の転換の速度は?!
ふと、この女は魔性の女なのではないか?と思った。
まぁ、それもすぐに間違いだったと気付くわけだが。
って…魅ぃちゃん?
そして俺は、誰かもわからない女の子に連れられて歩いていく。
自分の家の前の道だけどまだ見慣れない道を。
コンビニとか、ゲームセンターといった娯楽施設はここら辺には全然ない。そういう所に行くには、一時間ちかくもかけて自転車で町まで行かなくてはいけない。不便でならない。
ここら辺のいいところは…………えっと…自然が豊か。
そんな所ぐらいか?
少し歩くと、前の方でまた女の子が待っていた。
?『魅ぃちゃん!連れて来たよ!』
魅ぃちゃん?『おっ、君が山田翼くん?私は園崎魅音、ヨロシクね。』
そう言って手を差し出してきた。
翼『あ、俺がその翼…です。よろしく。』
翼『って、何で俺のなまえを…?』
魅『だってここ雛見沢は寒村だよー?引越して来る人の名前なんか村の人全員がしってるよー。』
と言って笑う。
?『私は竜宮レナ!よろしくね、翼くん!』
へぇ、レナって言うんだ。
変わった名前だなぁ…なんてちょっぴり思ったりする。
翼『あ、よろしく。』
魅『じゃ、学校に行きますか!』
そう言うと、両サイドをガッチリとかためられた。
翼『…え?えっ?!』