大空の少年、走る!

□始まりは、ただの思いつき
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「そんなことより、ツナ。話がある。」


リボーンが俺の机の椅子に座り、その無駄に長い足を組みながら言う。
その優雅な姿と座っている俺が小学生から使っているボロい椅子とのギャップに少し笑えた。


「なんだよ。改まって。」


「単刀直入に言うとだな…。
 


 
ツナ。お前、暴走族つくれ。」





……………





「はぁぁぁあぁぁ!?」



こうして、冒頭部分に戻るわけだ。


先に言っておこう。俺は決して叫ぶのが好きというわけではない。
と言うか、いきなり暴走族をつくれと言われたら、叫んでもおかしくはないだろう。


自分でいうのもなんだが、これでも少しは落ち着いた性格になったのだ。
昔と変わらないように見えるのは、俺が落ち着いていくのに比例するように、
リボーンの俺の扱いがひどくなっていくからだ。


今回だってそうだ。
叫ばせるようなことを言うリボーンがいけないのだ。
今までも十分脈略のない無理難題を突き付けられてきたが、今回は格別におかしい。


「いやいや、意味わかんないし!!!
暴走族って、あれだろ!? なんかブンブンならしながら改造しまくったバイク乗りまわして、
喧嘩三昧の日常にどっぷりはまってる不良集団だろ!?」


と、俺がテンパって一気にまくし立てる。


「少しは落ち着けよ。」


リボーンはいつものポーカーフェイスで言いながら、またもや土踏まずを俺の頭にフィットさせた。


「だから、いちいち土踏まずを俺の頭にフィットさせるな!!」


「あ?お前、誰に向かって口をきいてんだ?」


俺の腕を片手で簡単に捻り上げるリボーン。


「いてて!! ギブ!ギブ!俺が悪かった!!」


…残念ながら3年間、俺とリボーンの力関係は全く変わっていない。


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