一次短編

□お持ち帰り決定です。
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窓から入ってきた風が紙をめくる乾いた音と、その上を走るペンの音だけが響く生徒会室。


「あー…つかれた。」


唐突に煉(れん)が呟く。


「…どうしたんですか?」


文句は言っても弱音を吐かない彼がいきなり言うからだろうか。
不審に思ったらしい嗄早(さざき)が手にあったペンを置きながら顔を上げて聞く。


「暇すぎて降りてきたのは良かったが、逆に忙しすぎる。」


魔王より会長が忙しいってなんだ。どうかと思うぞ、人間界。
ぶつぶつと呟く煉。


「降りてきた?」


首を傾げて聞くが、煉には聞こえていなかったようだ。


「よし。俺は帰る。」


ガタと音をたてて立つ。


「はい?駄目ですよ。まだ、仕事終わってないですし。
管理人に連絡しておきますから、無理矢理帰っても寮には入いれませんよ。」


「寮にじゃない。故郷にだ。」


その言葉に嗄早はまた首を傾げる。


「故郷って、ご実家の尾崎家にってことですか?なんでまた…。」


煉が静かに言う。


「違う。魔界へ、だ。」









「…………………………………は?」











「ついでに言うと、俺は魔王だ。」





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