大空の少年、走る!
□始まりは、ただの思いつき
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俺は床に座りベットに背中を預け、窓から降りそそぐ暖かい春の日差しにうとうとしていた。
いろいろあった中学生活を終え、リボーンのスパルタ教育のおかげか案外簡単に合格した高校に通い、
何も問題を起こさず平和に一年を過ごした俺は、この時期は宿題がなくていいな。とボケっとしながら
高校一年にも二年にも属さない、つまり“春休み”をのんびりと過ごしていた。
何も問題を起こさずといっても、何も変わらなかった訳ではない。
俺は、この三年間で急激に成長した。
赤点のテストを隠しては見つかって怒られていた勉強は、
リボーンが教えてくれるようになってから徐々に徐々に伸びていき、今では中間期末で毎回90点以上という、
ダメツナと呼ばれていた頃からは考えられないほどの点数を取れるようになり、
今もまだ成績は毎回のびている。
体育でいつも、ダメツナいるチームはいつも負けると言われるほど音痴だった運動は、
何回も経験した戦闘のおかげか、リボーンのスパルタ修行によって徐々に頭角を現してきた元々の運動神経なのか、
運動のできる人、と言われたときに山本の次に名前が出てくるほど、格段に出来るようになった。
そのおかげで、今じゃ、ダメツナと呼ばれることもなくなった。
自分や、周りの人をマフィアの世界に引き込んだリボーンを恨んだことはないと言ったら嘘になるけど、
その代わりにいろいろなものを与えてくれたリボーンには感謝していたし、信頼も、尊敬もしていた。
ただ、一つだけ許せないことがあった。
それは、リボーンの教育の仕方だ。
リボーンは、俺に全くと言っていいほど容赦がなかった。
問題を間違えたからと言って発砲または、部屋を爆破するのは、当たり前。
休みの日にいきなり叩き起こされ、修行と言って知らない場所に置き去りにされたり、
滝に打たれたりと役に立つのか?なんて思うようなことまでやられる。
それは正に、教育という名の試練だった。
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