[進撃]ゆめみち

□愛の扉
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「クリスタ!あれ!」

遠くから馬が一頭だけで走ってくるのが見えた。

「誰の馬かな?」

「わかんない…。」

「一応保護しておこうか!まだ持ち主が生きているかもしれないし!」

よく見れば馬はジャンのものだった。
私は馬を見ただけでジャンの馬とか誰の馬とか全然わかんないけど、クリスタは確かにジャンの馬だと言い張る。


そういってクリスタは馬を保護して先に進んだ。





ピーーーーー!

ピーーーーー!

走り続けると段々近づいてくる口笛の音、私達は顔を見合わせた

「これって口笛?」

「うん、誰の口笛だろ?」

「「もしかして…。」」

その何分後かに青の信煙弾が上がった。

「やっぱりジャンだね。」

その方向に走ると、そこにはジャンとライナー、アルミンがいて、アルミンは負傷、馬は一頭だけだった。

「みんなー!大丈夫!?」

クリスタが叫んだ。



「ユリ!生きてたのか!!」

アルミンはそう言って私を見上げた。

「うん!でも、ネズ班長とシスが…。」

「…大変だったね。」

「ううん、仕方ないよ。」

するとジャンが一気に明るい声を上げた

「俺の馬じゃねぇか!どうどう!ははっ!落ち着けよブーフヴァルト!」

「その子、酷く怯えてて、こっちに走ってきたの!…巨人と戦ったの?

あ!アルミン!?その怪我は?!大丈夫なの?!」

「うん、なんとか!」

「……。」

心配そうなクリスタにライナーが話しかける

「よくあの煙弾でこっちくるようになったな。」

「丁度近くにいたし、ジャンの馬もいたから。」

「お前は馬にも好かれるし、不思議な人徳があるみたいだな…命拾いをした。」

おい、私も馬に好かれてるかもしれないぞ。

クリスタは涙ぐんで3人をみた。

「でもよかった…みんな、最悪なことにならなくて…

本当によかった。」

「「「「……。」」」」

みんなが撃沈した。

アルミン(神様…。)
ジャン(女神…。)
ライナー(結婚したい…。)

「さぁ!急いで陣形に戻らないと!」

「お、そうだ!撤退指令が出るはずだ!」

「それにしても、壁を出てすぐにとんぼ返りとは…見通しは想像以上に暗いぞ!

奴はなぜか、先頭の指令班とは逆の方向に行っちまったしなぁ!」

奴とは女型のことだ…

これから起きることに私達は不安しか感じなくなる。
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