[新撃]ゆめみち

□コンセント
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リヴァイver.

キーンコーンカーンコーン


「リヴァイやったね!お弁当の時間だよ!早く食べよ!」

そう言ってユリは机を合わせてきて弁当を鞄から出した
俺も少し遅れて鞄から弁当を出す

日本の学校に通い始めて2日目だが、どうやら一番楽しいのは古典らしい

するとそこにエレン達が通りかかった。

「へぇ、すごい!ユリがつくったのか!?」

「俺だ。」

・・・。

暫く待ってみるとエレンが口を開いく。

「へ、兵長がですか!?」

「文句でもあるのか。」

「い!いえ!ユリは料理とかしないのかなって!」

するとユリが答える。

「料理するよ!でもリヴァイの方が美味しいな!私は大体リヴァイのお手伝い!カーテン洗う時にカーテンを外すとか、一緒に買い物にいくとか、あ!でも洗濯は私が一人でやるかな?アイロンがけはリヴァイ!」

「…え?じゃ、じゃあリヴァイ兵長とユリ、一緒に住んでんのか?!」

「パパ同士がとっても仲良いんだよ!それより兵長ってなに?リヴァイ軍隊作ったの?」

「元幹部だ。」

「そうなんだ〜兵長って響きいいね!じゃあ私リヴァイ班に入る!」

ピシッ

なんだか緊張が走った気がした

「気にするな、たまにある。」

そういうとまた空気がほぐれてアルミンが呟く

「ユリの的中率…。」

エレンが呟いたその時ユリが弁当を開けて嬉しそうに両手を頬に添えた

「これって『オムズビ』だよね!」

「あぁ。」

「それに『タコサンウィンナー』に『出シ巻キ卵』だね!あと『唐揚ゲ』!」

「ここは日本だからな。」

「美味しそう!全部食べられるかなー?」

「食え。また痩せただろ。」

「モデルはみんなこのくらいだよ!」

「モデルだってもうちょっと肉ついてるんじゃねぇか?」

「そうかもね!じゃあ『イタダキマス』!ふ…はは!」

「なに笑ってる。」

「『イタダキマス』ってなんだろうね!なんで『イタダキマス』っていうんだろうね!日本って本当に面白い。」

この笑顔に周りがどれだけ和んだと思ってやがる
本当にこいつは今が楽しいんだろうな



俺が前の記憶が思い出したのは10歳の時
ユリとは赤ん坊の時から一緒だった。
塾も幼稚園も
ただユリは11歳になっても15歳になっても思い出さねぇ。


色んな話をしても、それとなく伝えてみても効果は0に近い。



ただ、一つだけ。



ユリが思い出す道が一つだけあった。


「リヴァイ!塩とご飯って合うんだね!とっても美味しい!」


「それはよかった。」



________________


リヴァイの部屋はユリの部屋のまん前にあり、いつでも移動が可能だ。

その理由はユリの見る夢にあって、たまにユリは夢にうなされる。


「…はぁ。」


( …何してるの!!!

お願い!捨てないでぇ!!

…まだ…出来る、出来る!

・・・!止めて!!



< 私はいつでも側にいるよ。 > )



「はぁ!!…はぁ、はぁ。」

ユリは勢いよく起きた
よく見れば汗だくで涙で顔もベタベタだ

「…ふぅ。」

ユリはスリッパを履いて部屋を出る

スタスタスタ

冷蔵庫を開けて補充してあるペットボトルの水のキャップを開けた

それを一気に半分くらいまで飲み、お風呂場に向かう


そして30分後、お風呂から出ると大体ユリが行くところは自分の部屋ではない。

「ねぇリヴァイ?…リヴァイ。」

「ん…。」

「…。」

「またか?」

「うん…。」

「…来い。」

そう言ってリヴァイは少し移動してユリが入れる十分な間隔を作る

リヴァイのベッドはクイーンサイズになっていて2人でも余裕で寝れる広さだ

それはユリが一人で寝られないから


二人の親はドイツでも有名な財閥の一つだ。
それに二人とも仲が良いし、お互い息子、娘をもっている。

だから自然にリヴァイとユリは婚約者になるのだが、まだユリは子どもだ。

いや、リヴァイも子どもだが、ユリには記憶がない
しリヴァイを兄妹のように慕っている。

ちゃんと好きになってもらいたいとリヴァイは思っている
ただそれは思ったより難しいのかもしれない。

それに問題はそれだけではない


ユリの父親
見る限り、普通の人間ではない
リヴァイが生きてきた二つの時代の記憶と直感でそう思った。

自分の父親で感じなかったものがある

ユリは何も言わないが…

ユリはあの父親で幸せなのか


(ユリもまだここで楽しみたいよな。)


「リヴァイおやすみ。」

「あぁ。」



こんなに幸せな世界なのに…。
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