[新撃]ゆめみち

□あなただから
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朝、カーテンの隙間から太陽の光がこぼれる

「ん…。」

リヴァイはその光から逃げるように体の向きを変え、布団を握りしめて枕に頬をへばりつける

その時リヴァイの部屋のドアが音を立てずに開き、ユリが顔を出した。

あまり静かすぎると逆にリヴァイはびっくりするので、ドアノブをカチャカチャと回し、スリッパと床を擦るようにあるく

そして静かに言う

「リヴァイおはよ〜朝ですよ〜今日は学校おやすみだからお買い物に行く約束ですよー。」

「ん…。」

「今日の朝ごはんはリヴァイの好きなハムレタスサンド〜♪」

パチリ

リヴァイの目が開いた


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「せっかく東京に来たんだから渋谷行こうよ!」

いつもより明るい朝食
今日は買い物に行くからユリのテンションが高い

リヴァイはハムとレタスがたっぷり入ったサンドイッチを食べながらユリの話を聞く

「電車乗って服買いに行っておうどんを食べよ!」

「…。」

リヴァイは思い出した
昔食べた日本食のことを…。

「焼き鳥。」

「『ヤキトリ』?」

「棒に刺さった鳥肉だ。」

「あぁ、ヤキトリね!じゃあ夜ご飯はそこに行こう!!」

春らしい花柄のワンピースを来たユリはこの時代でもセンスは健在だ。

「リヴァイコーヒー飲む?コーンスープ飲む?」

「コーンスープ。」

「はーい!」

そして無事に朝食を終え、二人は出掛ける準備を始めた
部屋を掃除し、洗濯をし、風呂を洗う


「お風呂の扱い難しい。」

「引っ越したばっかりだからな。」

「さぁ終わった!リヴァイ行こ!」

「あぁ。」


ここでユリとリヴァイは電車に乗って渋谷を目指す
電車はまさに満員御礼と心地悪いじめっとした室内にリヴァイは不快感を覚えた
二人のポジションは出入り口のすぐそばで、出ようと思えばすぐ出れる

(次で降りよう。ユリが乗ってみてぇっていうから乗ったが耐えられねぇな。)


「ひっ!」

ユリが小さな悲鳴を上げた

「どうした。」

「り、り?ぁい…もしかして私をからかってるの?」

「は?」

聞こえなかったので聞き返す
よく見ればユリは青ざめて涙目だ
リヴァイはユリの口に耳を傾けた

「お、お腹…。」

小さい声でリヴァイに伝えるユリのくびれには誰かの手が添えられていて、時々上にいったり下にいったりと動いていた

「ちっ、次で降りるぞ。」

「う、うん…ぐずっ。」

リヴァイはユリを一番端に移動させ、ユリを隠すように立った

「ちっ。」

後ろから声が聞こえる

「もう二度と電車になんか乗らねぇからな。タクシーで行くぞ。」



その時


さわっ


「!?


…ぜってぇ乗らねぇ。」

そう言って次の駅のアナウンスが鳴り、ドアが開いた時、リヴァイはユリを引っ張って外に出る


「変人の巣窟だな。」

「怖かった…怖かった…。」

「おい、しっかりしろ。」

「リヴァイも触られたの。」

「世の中には変なやつもいるもんだ。

少し休むか。」
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