[新撃]ゆめみち

□騙すか騙されるか
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引越ししてすぐのこと

ユリのあまりの警戒心の無さに不安になったリヴァイはある決心をした。



「おい、ユリ。」



リヴァイはリビングにユリを呼び、真面目な顔で話を始める


「あのな、ドイツも危険だが日本も危険な国だ。」

「そうなんだ!」



「あぁ、そうだ。だからな…


…お菓子を渡されてもついて行くな。」




・・・・。




「あはは!大丈夫だよリヴァイ!そんなにバカじゃないよ!」


その時ユリは俺の注意をバカにして笑った


「警戒心を持てってことだ。」

「大丈夫だよ!心配してくれてありがと!」


ユリはそう言って微笑んだが
俺の話を良く聞くべきだったな




_________________ユリver.


リヴァイにそんな話をされた後、私は約束があってボビンの家に行った。



「お菓子で誘われるって思われてるんだよ!!」


「仕方ないじゃない、リヴァイだって心配なのよ。」


「でもそこまで子どもじゃないよ!」


私はボビンの家でリヴァイの話をしていた


「それより聞いて!彼がこの前ポロシャツ着てたの!!」

「え!?思ったより彼おしゃれじゃん!!」

「本当に素敵だった〜!!それであたしね!」



・・・・。



そんなわけであれこれ話していると夕方になってしまった


「あ〜暗くなっちゃった!帰らなくちゃ!」

私はそういって立ち上がるとボビンも時計を見ながら私のコートを取りに行ってくれた

「沢山話しちゃったわね、じゃあユリ…ぷっ…お菓子をあげるって言われても付いてっちゃダメよ!!あはははwww!」

くそ、話すんじゃなかったと後悔しながら私は少し乱暴にコートを受け取る


「もう!!笑わないでよ!!帰るからね!バイバイ!」

私はそういってボビンの住むマンションを出た


その帰り・・・


「さむーい!」


独り言はどうしても言ってしまうが、帰り道が暗過ぎて歩いて帰るのが怖い…

…リヴァイを呼ぼっか?
うーん、でも忙しいだろうし疲れてるだろう

「怖いー、リヴァイー。」


聞かれてないけどとりあえずリヴァイを呼ぶ
いつかはリヴァイの目を見て言いたい…


リヴァイ///


そう思っていると大通りに出た
周りにいるのはカップルやサラリーマンや失業者

それに何かを配ってるお兄さん

「お願いしまーす。」

やる気のない声で手渡された紙には『寒い日は喉が痛い!』と書いてあり、のど飴が張ってある


「パイナップル味だ!」


私は早速袋を開けてその飴をつかむ


< お菓子を渡されても付いていくなよ。 >


ついて来いとは誰にも言われてないし!
そう思って飴を舐めた


「ん〜!おいしい!」

飴の中でもパイナップルの味が大好きな私は頬に両手を当てて小走りをする

「おいしいな!美味しい美味しい!」


そういいながら歩いていると自分の体に違和感を感じた


「ん?」


ガリガリと飴を噛みながら自分の手を握り締めたり開いたりする




おかしい

力が入らない


「ん?んんん??」




力が入らない
考えてる間に力はどんどん抜けていき、崩れるように地面に座り込む


「あれ?」

瞼も重くなり意識も薄くなってくる
怖いよ…

「リヴァ…。」

私の意識はここで途切れた

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