短いゆめみち

□私とハンジさんと時々巨人
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ハンジさんと私はちょっと不思議な関係です。

なんというか…

考えている事が似ているからなのか…
私の行動を全て把握してるからなのか…

例えばそうだな…
ハンジさんと調査兵団の中庭で会ったことがあった。

「あぁ!ユリ、リヴァイにこれ渡しておいて!極秘だから!」

ここで我々が注目すべき点は以下の事だ、

1、ハンジさんは私がリヴァイに会うことをなぜか知っていた。

2、スパイ目的で近づく人だっているのに私に極秘資料を渡した

3、大きな声で極秘だと叫ぶ。


いやいや!極秘なんだから私がこれを見ちゃだめでしょ!!

私は紙を折り曲げてなるべくその紙を見ないように真っ直ぐリヴァイの部屋に行った

きっとリヴァイなら言うだろう

「なんでこれをお前が持っている。」
とか
「なぜお前に…。」
とか

というわけで、本人リヴァイに「極秘資料!」と言って渡すと



「ん。」

「あれ?不思議だと思わない?」

「何がだ?」

またまたリヴァイもそうなんです。
こんなんでよく調査兵団の情報が漏れたりしないな…。

「ちょっとガード緩いんですね。」

「なんだ、壁でも作ればいいのか?」

「あ〜それはいやだな。」

「ならいいじゃねぇか。」

「うん。」


あれ?

そうじゃないの!
なんか違うんだな。


私はリヴァイのためにお茶を作り、ハンジさんに渡した事を報告しに言った。


(それにしてもペンを握ってるリヴァイも可愛かったな〜
なんだか九九やってるみたいで…。)

そう考えながら歩いているとペトラさんに会った

「あら、ユリ!こんなとこで何してるの?おつかい?」

「はい!さっきハンジさんにお届けものを頼まれたのでその報告に!」

「そう!偉いわね!」

「へへへ。」



ペトラさんに褒められてるんるんな今の自分なら何でも出来る気がする!!

「もう一度〜のキスで〜息をする〜♪」

歌いながらスキップをしていると、人にぶつかった

「あ!ごめんなさい!」

「おっと、済まなかったな。

…ユリじゃないか。」

「団長!」

調査兵団団長のエルヴィンさんだ
まぁ私は団長って呼んでるけど…
団長っていう響きがいい!
団長団長!って呼んでいて飽きないところが団長のいいところだ。

すると団長はニコッと笑いかけ、おもむろに手に持った資料の束から一枚の紙を取り出す

「ハンジの部屋に行くのか?ならこれを頼もう。超極秘資料だ。」

「はっ!」

私は敬礼をして真っ直ぐにハンジさんの部屋に走っていった。

「だからみんなユリに渡すんだよ。」

団長のそんなつぶやきは私には聞こえなかった。


一方、私はハンジさんの部屋でうな垂れる

(だからなんでみんな私に渡すの…。)

散々いいのか!と言ったのは自分なのにこうやってまんまとハマってしまう自分に恥ずかしさを感じる。

「も〜!気にしなくていいじゃん!みんなユリが真面目な子だと分かって頼んでるんだから〜!」

「ハンジさん…。」

「な〜に?」

「私…まだ何も言ってません。」

「ふふん♪」



不思議な関係です…。
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