[進撃]ゆめみち

□ありがとう、またね。
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エルヴィンに呼び出されたリヴァイとエレンは旧本部の談話室に集まる。

そこにユリの姿はない。
エルヴィンの所に行ったという

リヴァイ班が全滅し、空洞化したこの部屋は前より冷たく感じる。

リヴァイもエレンも改めて寂しさと後悔を同時に感じた。

「おっせぇな、エルヴィンの野郎共。待たせやがって…向かいの憲兵団が先に、きちまうじゃねぇか。」

そう言ってカップに入ったお茶を飲み、一呼吸置いてからまた口が開く。

「大方、クソがなかなか出なくて困ってんだろうな。」

その冗談にエレンは少し安心したような、申し訳ないとでも言うように小さく笑った。

「兵長、今日はよくしゃべりますね。」

「バカいえ。俺はもともと結構喋る…そうじゃなければユリの相手なんかできねぇだろ。あいつは機関銃だからな。」

またエレンは小さく笑った。

リヴァイはカップを机に置くとビクッと体が強張った。
そして手で太ももを抑え、「チッ。」と舌打ちをした。
それを見たエレンは申し訳なさそうに謝る。

「すいません。あの時、選択を間違わなければこんなことには…きっと、ユリもそういう事を言おうと…。」

「言っただろうが、結果は誰にも分からんと。」

静かにリヴァイがそう言うと、ドアが開く音がし、そこからエルヴィン、アルミン、ミカサ、ジャン、ユリが入ってきた。


「お前ら…。」

「女型の巨人と思わしき人物が発覚した。今度こそ確実に仕留める。」


エルヴィンは真剣な顔で二人を見た。


「作戦の決行は明後日、場所は我々が王都へ召喚される時に通るストへス区だ、ここが最初で最後のチャンスとなる。ここを抜けたらエレンは王都に引き渡され、壁の破壊を企む連中の追求も困難になるだろう。引いては、人類滅亡の色が濃厚となる。

我々はこの作戦に全てを賭ける。」


エレンは姿勢を直し、エルヴィンの話の集中した。
決して失敗は出来ないと自分を追い詰めているのだろう。

「作戦はこうだ。ストヘス区を通過する際エレンが囮となって、この地下通路へ目標をおびき出す。最下層まで連れ込めば体格と強度から考えて、例え目標が巨人化しても動きを封じる事は可能だ。だが万が一巨人化した場合、エレン…君に頼む事になる。」

エレンは驚いたように顔を上げ、緊張気味に声を出す。

「あ、はい。それで肝心の目標は、ストヘス区にいることは確実なんですか?」

「あぁ、目標は憲兵団に所属している。」

「憲兵団に?」

「それを割り出したのはアルミンだ。」

そこにユリの名前は出なかった。
ユリはさっきから伏せたまま組んだ手を額に当て、考え事をしているような顔でなにも反応を示さない。

エレンはそんなことも知らずにアルミンと顔を合わせた。

「曰く女型は、生け捕りにした二体の巨人を殺した犯人と思われ、君たち104期訓練兵の同期であると思われる。」

「ちょ、ちょっと待ってください!104期って…。」

「その女型と思わしき女性の名は…。」

「え…ちょっと。」







『アニ・レオンハート』
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