短いゆめみち

□[進撃]さぷらいず
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「わぁぁ!」

ボビンの作業場を見てペトラは顔を輝かせた
そこには高級そうなピカピカのミシンや沢山の色や柄の生地、可愛らしい飾りの山に、何種類もある糸
そして完成された幾つかのドレスを見て、ペトラは「凄い!」と叫んだ。

「カラフル!」

「カラフルだけじゃないのよ、実は素材も全部違うの。

ちなみに今回使う生地はこれ。」

「わぁ…あ、これあったかい!」

「この生地は凄く有名な生地なの、何故かわかる?」

ボビンはペトラの返事も待たずに次々と語りだす。

「あたしが作った生地なの、伸縮性があって柔らかくて、あったかい。
安っぽいイメージ?いいえ、安っぽい生地は使い古したら伸び切ってデロンデロンになるの。

でも……この服見て!」

そう言って出してきたのはピンクのジャケット
「これはもうかれこれ3年は使ってるわ!でも形が新品見たいにしっかりしてるでしょ〜?」

「わぁ!」

「ねーはやく作ろー!」

「…もう、あたしが作ったんだからね!!」

そういってボビンは私に怒鳴りながらペトラを連れて生地を持ってきた。

「いいよね〜この生地…形崩れないのに柔らかくてあったかいし!」

そう言って型をとって切って行く

「ブランドはどうするの?あんたレディースでは人気だけどメンズなんて作ったことないでしょ?」

「メンズ枠作るもん!」

「でもメンズの最高峰は私よ?」

「…やるわね…。」

「おk、あたしのブランドね〜!」

「すごい会話…。」

「「ん?」」

「すごい会話…トップ同士って凄いね。」

「あら!嬉しいこというじゃない!」

「トップだなんてペトラさん恥ずかしいです。」

「さぁさぁもう2時よ!そろそろ始めましょ!」


マネキンに布を被せてそれをまち針で留めていく


_____________ペトラver.


どんどん作業が進む中、たまにユリとボビンが喧嘩をすることもあった

「こっちだってば!!」

「いいえこっちよ!!」

「そんなことしたら着にくいじゃん!!」

「こうしたら全体的にスッキリするの!!もう!トップはあたしなんだからあたしの言うこと聞いて頂戴!!」

こんな感じ

今までのユリのデザインを見せてもらったが、流石ファッションリーダーと言われるだけある。

私もファッションについての知識は少しぐらいならある。

ユリの服に憧れていたし、オシャレだしかっこいいボビンはお母さんも気に入っていた。

ユリの輝く顔を今、間近で見ている訳だが

本当に兵士でよかったのか
と疑問に思う。
何か他にやりたいことがあるのか
何が目的で兵士になったのか、無性に聞きたくなった。

「ユリはなんで兵士になったの?」

「そんなに不思議ですか?」

するとボビンが言った

「当たり前じゃない!芸術家が兵士になるなんて罰ゲームよ!」

「確かに運動はすっごく大変だし、嫌がらせしてくる兵士とか、媚び売ってくる兵士とかいるし、セクハラとかパワハラとか酷いけど、巨人を倒すのは楽しいの!

最初は外の世界を見たかったから兵士になろうとしたの!でも思ったより壮絶で、昨日一緒にいた子に二度と会えないってすっごく悲しいことだなって思った。」

「そうだよね…寂しいよね。」

私はその時、リヴァイ班の事を思い出した。
そして独りで死んでいった同期達

何も考えずに言った。

「ユリ、私が死んだら悲しんでくれる?」

「え?」

「…。」

「…悲しみます…ペトラさんのこと大好きだから。」

「…あ!へ、変なこと聞いてごめんね!大丈夫!私強いから!」

そういうと友里の顔が明るくなった。

「ですよね!!ペトラスマイルで巨人も駆逐ですよね!」

「(ペトラスマイル??)うん!あはは!」


私達は作業を続けた
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