短いゆめみち
□[進撃]姉と妹
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「ペトラさん!」
「わぁ!ユリどうしたの?」
後ろからいきなり抱きしめられるとびっくりしてしまう。
「今日は街に行く日ですよ!」
「街?…あぁ、そうだね!」
ユリは街に行きたい時、絶対一週間前に言ってくれる。
忙しい私にとってはとても助かる。
(なんて礼儀正しい子なんだろう。)
つくづく感心する。
「さぁ!朝ごはん食べましょ〜!」
そう言ってユリは後ろから来た友達と食堂に走っていった。
なんか…
可愛いなぁ〜
「悪いな、子守させちまって。」
そう言って話しかけて来たのはリヴァイ兵長だった。
なんだか申し訳なさそうな顔をする。
「リヴァイ兵長!おはようございます!」
「あぁ。」
「子守なんてとんでもないです!私も一緒にいて楽しいですから!」
私がそう答えると相変わらず表情を変えずに「そうか。」とだけ言った。
何だか嬉しそうに見える。
うん、喜んでいるみたい!
食堂に入るとユリは沢山の女の人に囲まれていた。
ざわざわ
「どうしたの?」
一番近くにいたエレンとアルミンとミカサのグループに聞くとエレンもちょっと楽しそうに答えた
「あぁ、ペトラさんおはようございます!今日ユリの新作発表会があるんです。それでみんなそのモデルになりたいってたかるんですよ。」
「え?」
ちょっと引く
するとアルミンも言った。
「仕方ないですよ、いつも一般人を厳選して起用しているユリがこんな日に一般人の中に入って行ったらこうなりますよ。」
「私去年やった。」
…ユリ今日忙しいのか
私と街に行っても大丈夫なのかな?
もしかしてそんな時間を割いてまで…
私は申し訳ない気持ちになった。
そして、
(モデルか…。)
ちょっと気になった。
「っていうか本当によく知ってるね。」
「俺達、5年程ユリの家で召使いとして働いてましたから。」
そう言ってまたエレンは笑う
私はユリを見た。
「ごめんなさい!もうモデル決めちゃったの!」
大声で言うユリに女の子達は「なんだ〜。」と言って掃けていく。
すると食事をもらって、エレン達のところに来た。
「こういう時だけ来るんだから!」
私達はそのユリの愚痴にお腹を抱えて笑う。
「さっきの奴等とは初対面なのか?」
「そうだよ!喋ったこともない!」
「「「あはははははは!!!」」」
「図々しいにも程がある!!」