短いゆめみち

□結婚お祝いパーティー
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ちなみに時刻は深夜12時
だから気になったのだ。
深夜の12時、リヴァイは食堂のドアを開けた。

( 2PM Hands Up )
Everyone put your hands up! and your drinks up!


「なんだこれ。」

大きな重低音がドンドンとリズミカルに鳴り響く。

そこにいるのはエレンや他の同期、それにボビンまでいる。
みんながその歌のリズムに合わせて踊ったり歓声を送る。
まるでクラブみたいだ。

歌っているのも楽器を鳴らしているのも調査兵団だ。

(どういうことだ?)

すると後ろのドアが開く音が聞こえ、振り向くと

「おぉ!リヴァイも来ていたのか。」

「エルヴィン?お前ここで何をしている。」

「何って今日が何の日か知ってるだろ?まったく。」

「は?」

「さぁさぁ、今日は一日中楽しもう!」

そう言ってエルヴィンはリヴァイの肩を叩いて階段を下りていく。

「団長!踊ろ!」

「よし、いいぞ!」

そう言ってエルヴィンをダンスに誘ったのはユリだ。

(まぁいない方がおかしいか。)

そしてしばらくして、またボーカルや楽器の担当が交代し、別の曲が流れた。

そしてスポットライトの光がリヴァイに当たる。

聞こえるのは大きな歓声リヴァイの名を呼ぶ沢山の声。

そして5人の男がリヴァイを真ん中に並び、音楽が始まった。

( BIG BANG \ Fantastic Baby )
夜が来た 目覚ましなWE GON PARTY LIKE LILILI LALALA
集まりな この PARTY は これからさLILILI LALALA


もっともリヴァイらしい歌やリズムに会場が更に盛り上がり、彼らはリヴァイを引っ張ってステージに置いてある王座に座らせ、その周りで踊る。


…Oh,Fantastic baby.

「おい、誰がベイビーだ。」
(短編 『喧嘩した』参照)


いかがかね?僕ちゃんはパーフェクト
弱点探すのなんて100年早い BABY
真っ赤な太陽よりもFIRE
直視すれば BURN NAH NA NA NAH NAH


リヴァイは王座にただ座っていただけだか歓声の中にいつまでも「兵長!」とか「リヴァイ兵長」という声が混じっていた。



アップテンポで完璧な終わり方を見せるとユリがステージに上がってくる。

「リヴァイかっこよかったよ!!」

「なにもしてねぇがな。それよりこれはなんだ。」

「説明は後!次は私の歌だからリヴァイステージの下で見ててよ!今日を楽しもう!!」

そう言ってユリはリヴァイの背中を押し、裏方の人にマイクをもらう。

するとユリにリヴァイの時よりも大きな歓声が向けられた。

ワアアァァァァァァァァ!

「私の名前は〜??」

ユリちゃぁぁぁぁん!!

「はーい!今日はみんな結婚祝いに来てくれてありがとね!!めっちゃくちゃ盛り上がって嫌なことは全部置いていってね!」

曲が始まった。
ユリはリヴァイに投げキッスを送る。
(aiko / ジェット)

It'sall light all life 胸のハリガネほどいて
Mmall mine It's fine! ねぇ じらして手をつないで
きっと飛べると思うんだ
横についててくれるなら
黄色い空もこんなに
近くに見えるよ baby


ゆったりしたリズムに合わせて特徴的な声で歌うユリは、やはり多才でみんなから憧れられおり、それが歓声や拍手となってユリを包み込んでいた。

「飛ぶか…。」

リヴァイはその言葉に考える。
何でもない言葉なのに何故か不思議とその言葉が気になった。

頭に浮かぶのはユリの背中にあった二つの大きな傷。

(…羽が生えてくるんじゃねぇだろうな。)

普段のあのぶっ飛んだ性格からあり得なくもないと思ったリヴァイは思わず笑そうになりながらも無表情を貫く。



So Knock Knock GunGun!
逃げるよダッシュして
MmO.K. It's fine
君と僕の羽は小さいだから
絶対離れないように




「リヴァイ。」

「…ボビンか。」

後ろからボビンが話しかけてくる。
リヴァイはホモやオカマといった部類は苦手だが、当たり障りのないあっさりとしたボビンは嫌いではなかった。

「上手いことハッピーエンドになったじゃない。」

「これでよかったんだろうな。」

「ユリの話からだと合格ラインね。」

「ハードル高過ぎるんじゃねーか。」

「これでいいのよ。ユリも幸せそうだもの。」

「まだまだこれからだ。」

そういうとボビンは整った綺麗な顔を崩すことなく、ふふっと静かに笑った。

「そうね。これからね…。」

実はこのプロポーズはボビンの助言があって成功したのだ。
直接的なリヴァイの表現力をボビンがオブラートに包み、それをリヴァイに教える。兵士ではなく、女の子向けの言葉遣いだ。

「あたしのユリ大事にしてね。」

ボビンは仕事がまだあるからと言って人混みの中に消えていった

丁度曲が終わったユリは走ってステージから降り、ボビンを追いかける。

バタンッ

ドアが閉まる音と同時に視線はリヴァイに集まった。

「リヴァイ兵長は何か歌うんですか?」

エレンが当たり前のように聞いてくる。

「バカ言え、歌わねぇ。」

「まさか歌わないっていうんですか!?」

サシャが乗ってきた。

「同じことを言わせるな。」

すると二人の男女が出てきた。
男の子が歌う



(魔法にかけられて / 想いを伝えて)
想いを伝えて!



「また歌う気か。」



貴方の気持ちを!
彼女を本当に大好きだと
想いを伝えて!貴方の気持ちを!
彼女を本当に大好きだと



何かのパレードかのようにみんなが踊り始めたり歌い始めたりする。

リヴァイはトンと近くの椅子に座り、動かなくなってしまったが歌は止まらない。



そうだ 一緒にダンスに行くのはいかが?



「踊らねぇ。」



愛の歌を歌うのもいいわ!



「歌わねぇ。」



想いを伝えて 少しづつでも
そうすれば届くの 愛が


リヴァイはため息を吐いた。
これから調査兵団による洗脳が始まる。
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