短いゆめみち
□結婚お祝いパーティー
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その頃、ユリはボビンといた。
「ボビン!」
「あらユリ、どうしたの?」
「もう帰っちゃうの?」
「えぇ、仕事が残っているから帰るわ。」
「ボビン、私…あんたが親友で本当によかった!!私があんたの嫌いな兵士になってもそのままの目で私を見てくれたし、食わず嫌いしずにリヴァイやみんなを受け入れてくれたことをありがとう。
私の判断力やセンスを信じてくれてありがとう!!」
そう言ってユリはぎゅっとボビンを抱きしめると、ボビンは自分よりも小さいユリを受け止めるように抱きしめた。
「嬉しいこと言ってくれるじゃない。」
「ボビンが居なかったら私どうしようもないグズになってたし、性格も悪かった!」
「ちょっとちょっと、そんな自分を悲観しなくてもいいじゃない!」
「でも本当にボビ!」
ボビンはユリから体を離し、ユリ口に手を添えるとにっこりして頭を撫でる
「しっ、自分の批判したりする子は綺麗になんかなれないわよ。」
するとユリはこくこくと頷いてからブルブルと首を横に振った。
そんなことをする意味はきっとボビンやリヴァイ、きっと今は亡きペトラにしか分からないだろう。
口から手を離すとユリは目を輝かせて言う。
「ボビン!歌お!」
「えーあたしいやよ!」
「いいじゃん!じゃあリードギターやってよ!」
「いーや。」
「…。」
ユリがしょげたように俯くと少ししてボビンがため息をついた。
「少しだけよ!」
「やったぁぁぁぁ!!」
ボビンとユリは嬉しそうに抱きしめ合い、女子高生みたいにはしゃぐ。
「実は昨日ちょっと練習したの!」
「じゃあいっこう!」
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私がが食堂に戻ると同時に一曲終わった様で、ボビンがステージに上がった。
一時期ボビンと歌いまくった曲だ。
でもある日「声変わりしたくない。」と言い出してそれ以来ボビンの歌は聴いていない。
未だに歌ってはくれないがボビンは歌が本当に上手だった。
「Ladies and gentlemen!!一曲行くよ!!one two three four!!」
(Be master of life / aiko)
自分らしくある為に 神様がくれたもの
みんなに出会えたこの奇跡
波立つ未来にもみんなとなら
前進あるのみで大丈夫
誰が何を言おうと関係ない あたしは味方よそんなの当たり前の話よ
Oh,yeah!!
素敵な友達っていうのは普通っていう基準を作ってしまうような人じゃないと思うの。
幅広い心で人を受け入れてあげる人、認めてあげられる人
私はそんな人と生涯を満喫したいの。
そんな相手が親友ならその子が何をしても
私だけは見方で居る自信があるわ。
あなたはどう?
昔、ボビンにそう言われたことがある。
その時私はボビンに憧れを持った
元々友達同士だが、ボビンがゲイだと打ち明けた時に言った言葉だ。
そこから私達は一気に仲良くなったのだ。
最後の曲になった。
「ユリ!!リヴァイ兵長がリトライしたいって!!」
「え??何かの間違えじゃない?」
我ながら結構あっさりしているなって思い、思わず笑ってしまった。
「やらせろ。」
「え???」
( BIG BANG \ Fantastic Baby )
夜が来た 目覚ましなWE GON PARTY LIKE LILILI LALALA
集まりな この PARTY は これからさLILILI LALALA
証明が一気に落ち、リヴァイは自分からステージに上がって真ん中に置いてある玉座に腰を下ろす。
半分でも興味あるならばWE GO さぁ行こう 好きに騒ごう
NAH NA NA NAH NAH NAH NA NA NAH NAH WOW …
「 FANTASTIC BABY 」
確かにそれははっきりとリヴァイが言った。
周りが一気に静かになりリヴァイだけがあの低いワイルドな声でつぶやくように歌った。
歌というかセリフと言うか
とにかくリヴァイが言った。
おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!
一気に歓声があがり、男女共にリヴァイに声援を送りはじめる。
のちにリヴァイが洗脳されていたことを知った。
____________
リヴァイの自室にて
「フンフンフーン♪」
「?????」
リヴァイが鼻歌を歌っていた。
「リヴァイご機嫌だね!」
「そう見えるか?」
「見えるよ〜!」
「…結婚か。結婚する前に死ぬとばかり思っていたが…。」
そういってリヴァイはパーティーの所からもらってきたシャンパンをコップに注ぐ
「いいもんだな。」
「もし子どもが出来たらなんていう名前にする?」
お酒が回って機嫌がいいリヴァイは私を見て、無表情だが嬉しそうに答えた。
「それなら考えてある。ラルフだ。」
「男の子?なんでラルフなの?」
「いい名前じゃねーか。」
「ふーん。じゃあ女の子は?」
「それはユリ任せる。」
「うーん、じゃあ女の子は…アマンダ。」
「なんでだ?」
「私の友達のアマンダはみんな綺麗なの!」
「そうか。可愛い子が生まれるといいな。」
リヴァイが酔ってなかったらきっとこんなこと言わないだろう。
私は初めて聞いたリヴァイの本音にとっても心が温まった。
「私達生まれ変わっても結婚できるかな?」
「お前の性格次第だな。」
「ちょっと何よそれ!」
「今と全く変わらなかったら出会った次の日にでも結婚してやる。」
「…ほんと?」
「あぁ、ちゃんと結婚式も挙げてやる。」
「本当の本当に約束だからね?」
「あぁ。じゃあ書類にサインしてやる。」
そういってリヴァイはちょいちょいとそこらへんにあった紙で契約書みたいなものを書いてくれた。
「ほら。」
「…リヴァイ大好き。」
「俺も……好きだ。」
「もっと聞きたい。」
「バカ言え、レアもんだぞ。」