その他夢

□ひだまりの中で
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(おや)


骸は小さく首を傾げた。妻と息子の姿が見当たらないと不審に思い庭に出てみればチェアーに揺られ、穏やかな日差しの中で微睡む2人。妻の膝に横たわって浅く小さな呼吸を繰り返す息子。


(まるで聖母子像ですね)


キリスト教徒ではないが、いつか美術館で見た絵画のようだと骸は小さく笑った。美術館で見た絵画よりずっと清らかで神々しい。むしろ骸はそういった類の嗜好品を見ては崇める人間に対し蔑みの思いを持っていたくらいだったのに、今は不思議とあの絵に人間が抱く気持ちが万分の1でも分かる気がした。どうしようかとしばらく悩んだ骸しかし庭は危ないと判断してゆっくりと妻の肩に手をかける。ん、と小さく唸り、妻は目をあけた。

「やだ、寝てた…って骸っ?」

「クフフ、ただいま戻りました」

「久しぶりっ」

ちょっとそこはお帰りなさいが先でしょうと骸は突っ込んだが息子の不思議なものを見るような目に骸は興味を奪われた。

「………、だれ…?」

表情を崩さない骸が目にわかる程傷ついた顔をするので妻は慌てて息子を抱き上げた。

「お、お父さんよ?あんなに待ってたじゃない」

んーと唸って息子が目を擦る。パチパチとまばたきをして、もう一度骸を見上げると喜色満面になり両手を振り上げておとうさんっ!と叫びながら骸に抱きついた。どうやら寝起きで視界がさだかではなかったらしい。骸は心底肝が冷えた。

(息子に顔を忘れられたのかと思いましたよ)

「でも、あまり帰ってこないなら本当に忘れられちゃうから」

「えぇ、分かりました。流石に僕も肝が冷えましたよ」

さっそく明日は出かけよう。それにはまず真っ黒な上司に掛け合わないといけない、と骸は小さくため息を吐いた。





(クフフ、まさかこんなベタな幸せを僕が手に入れられるとは)

















骸って書きやすい\(^q^)/

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