その他夢

□雨
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それは春でも夏でも秋でも冬でもなく、雨がシトシトと降る梅雨のこと。



雲雀は恋に落ちた。理由などない。そう、恋に理由などあるだろうか。この恋の訪れに周りは困惑したが、一番困惑していたのは雲雀自身だった。仕事も手に着かないし、モヤモヤした気分は一向に晴れない。シトシトと降る雨が生徒の傘にはじかれてはねる。青、黒、緑、黄色、透明。クルクルと回る傘がゾロゾロと下校していく。雲雀は苦いコーヒーを口に含みながら、まるで自分が別の人間になっていくようなうすら寒い恐怖を感じる。

僕はどうなっていくんだろう

一向にめくられない書類を机に置いて窓から外を見る。雨は傘をささなくていいくらいの小雨だった。クルクル回る傘に、閉じた傘。クルクル回る淡いピンクの傘が、一つ。雲雀は立ち上がった。

委員長?

草壁が不思議に思って声をもらしたが、クルクル回る淡いピンクの傘と隣に並ぶ黒の学ランを見て、小さく微笑んだ。











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