D.Gray−man
□天の川
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* * * *
「こ・・・ここはどこ??」
アレンは空間の開けた所で立ち尽くしていた。
ラビから逃げるため、必死で走っていたら、いつの間にか迷子になっていた。
「誰か・・・助けて・・・。」
涙を目に溜めて、月に向かって言った。
「・・・ラビ・・・。」
「呼んださ?」
「!?」
アレンが振り返ると、そこにはラビがいた。
「ラ・・・ラビなの・・・?」
「そうさ〜。」
「ラ・・ビ・・・ラビー!!」
アレンは走ってラビに抱きついた。
「ラビ・・・ラビ・・・ラビ・・・。」
「ごめんな。他の人と話してて・・・。アレンのこと、自慢してたんさ・・・。」
「『自慢』・・・?」
「そう。アレンは可愛いから、自慢してたんさ。」
「///」
アレンの顔が赤くなる。
「それにしても、アレンの浴衣姿、可愛いさ〜w」
「み・・・見ないで下さい!!///」
アレンは急いで、ラビの左目を隠す。
「アレン〜。アレンの可愛い姿が見えないさ〜。」
「見えなくて結構ですから!!///」
「え〜。オレは嫌さ。アレンを見たい。」
そう言って、アレンの目隠ししている手を強引にどけて、両手首を掴む。
「ん♪♪よく見えるさw・・・まるで織姫様みたいさ・・・。」
そして、ゆっくりと唇を重ね合わせる。
「んっ///」
「ぷはっwアレンの唇はとっても甘い味さw」
ラビは笑って、アレンの手首を離した。
「あ・・・あの、ラビ・・・。」
「どうしたさ?」
「『織姫様』って誰ですか?」
「あぁ、アレンは『天の川』の話、知らねーのか・・・」
アレンは頷く
「昔、織姫っつー、働き者の女の人がいたんさ。それである日、彦星っていう人に出会い、二人は恋に落ちて仕事をしなくなったんさ。
それで神様が二人の間に川を作ったんさ。でも、二人は悲しみ、神様は年に一度だけ会わせてあげることにしたんさ。」
ラビは空を見上げる。
「それが今日の七夕の日さ。」
アレンも空を見上げた。空には星の川があった。
「でも、僕は『織姫様』じゃないです。だって、」
アレンは星の川からラビに視線を戻す。
「僕は毎日ラビに会えてるんですよ。」
ラビは少し笑って、アレンの頭を撫でる、
「そうだな。あ、アレン。一つ言わせて。彦星が織姫を愛している以上に、オレはアレンのこと、愛してるからな。」
「僕だって・・・///」
アレンは赤面になりながら言った。
「僕だって、織姫様が彦星を愛してる以上に、僕はラビのことが好きです///」
お星さま
お星さま
私の願いを叶えてくださいな。
この川の向こうにいるあの方に、
会わせてください。
年に1度しか会えないけれど、
それでも私は
貴方のことを愛しています。
〜END〜