07/09の日記

18:43
高校生平太×ケータイ団蔵 現パロ
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NOVELの団蔵受け部屋3においてある「ケータイ着せ替えました」のその後。



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夕飯の時間、団蔵の口が止まらない。もうずっとしゃべっている。
平太の母が「ご飯よ」と呼んで席についた途端「聞いて聞いて!」と目を輝かせて話し始めたのだ。
そしてその時間に比例するように平太の顔は真っ赤かつ汗だくになっていく。



「ママさんママさん!僕が不良に絡まれたそのとき!へーたはどうしたと思う?」
「え〜どうしたのかしら。ちびったとか?」
「ぶぶー!氷が入ったドリンクをばしゃーっとかけた、でしたー!」



もうさっきからずっとこの話題ばかり。恥ずかしい。恥ずかしすぎる。
恥ずかしすぎてご飯の味が分からない。今日はサバの味噌煮で比較的味が濃いおかずのはずなのに。



「もうやめてよ団蔵ー!」



たまらず叫ぶが



「何で止めるんだ!ママさんにへーたのかっこよさを知ってもらわなきゃ!」



いらないいらないそんなの知らないままでいいよう!

いったい何の罰ゲームだと言うのだ。まさか夕飯の時間、しかも家族の前でこの話をエンドレスリピートされるとは思っていなかった。
そもそもあれは団蔵がナンパされていて頭が真っ白になってしまったからで、普段は絶対にしない。僕はそんな度胸ない!
涙目になりながら「団蔵もういいよー!」と繰り返す。



「そしてさらに!」
「もうやめてー!」
「あらあら聞かせて。どうなったの?」



目を輝かせて続きを話そうとする団蔵。それを知られたくなくて慌てる平太。にこにこ顔のお母さん。「兄弟みたいだなあ」と呟くお父さん。充電中のため小屋で大人しくなっている犬型ケータイでこぽん。
下坂部家はにぎやかだ。



「へーたがね、僕をお姫様抱っこしたの!」



ついに平太は噴火した。親にそんなことを知られたくなかった。

そこからは詳細もとい言い訳に必死。
だって親は僕にそんなイメージもってない!説明しなきゃ後で何て言われるか!

違うの、あの、不良から逃げるときに団蔵がミュールだったから!このままじゃ追いつかれると思ってそれで!

あわあわしすぎて唇が上手く動かない。
人がせっかく一生懸命説明してるって言うのに団蔵は「こーやってヒョイッと」とわざわざ立ち上がって動きまで再現している。



「すごいわねー、普段の平太からじゃ想像できないわー」
「何を言うんだママさん!へーたはいつだってカッコいいぞ!」
「あらぁ、団蔵くんは平太が大好きなのね」
「へへへ〜。そりゃ僕のご主人様だしね」
「おい平太どうした。顔が真っ赤だぞ」



…どうして団蔵はこう簡単に「好き」とか「かっこいい」とか言うんだろう。抱きつき癖といい本当にアメリカンだ。
心臓に悪すぎる。僕は、僕は団蔵といるだけでドキドキしているっていうのにこうやって更にドキドキさせて。



「へーた、また僕が絡まれてたら今日みたいに助けてね」
「え、え、ぇ」
「何でそこでどもるのよ。団蔵くんのためにドリンクかけてお姫様抱っこしてあげなさいよ」
「リピートしないでよ母さん!」



ああああもう。しばらく母さんにこのことでいじられるのを覚悟しなきゃ。
ニコニコ笑う団蔵に全く悪気がないことは分かっているから怒れない。純粋に自慢したいだけなんだ。

助けるも何も、団蔵が絡まれたらきっと頭が真っ白になってまた僕らしからぬことをしちゃうよ。
だって自分を見失うくらい団蔵が大切なんだもん。








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