07/11の日記

16:31
さこ団←陣左
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下にあるさこ団←陣左の続き。


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やっぱり私は滑稽だ。
そう思いながら忍術学園に陣左は足を運ぶ。
今日はあの子に会えるかな、なんて高校生のようなことを思ってみたり。

修羅場を楽しむ例の上司には内緒で一人で来たが、どこかしらに隠れているような気がする。あの人は任務以外でも任務並の尾行をしてついてくるから。

小松田さんの入門票にサインをするのは、しない方が大変になるから。
彼の追跡技術は並大抵ではないが入門票関係に限る。

いつも通り保健室に向かうのは、想い人が保健委員と付き合っているから。
この前それを知って失恋したというのに、諦められずのこのここんなとこへ来るから滑稽なのだ。



「あ、高坂さん」



屋根から顔を出すとそこには想い人の恋人、川西左近。洗濯済みの包帯を干している。



「こんにちは」
「こんにちは。先日はすみませんでした」



思い出したのか少し頬を赤らめながら頭を下げる。
そりゃあいきなり倉庫裏であんなに情熱的に愛を叫ばれたらねぇ、恥ずかしいよねぇ。
苦笑をしながらいいよいいよと窘める。



「団蔵に『そんなわけないだろ』って何回も言ったんですが…」
「わんころくんってばまだ誤解してるのか?」
「…多分」



わんころくんとは団蔵のこと。感情丸出しのところが犬っぽくてタソガレドキ軍で勝手につけたあだ名。
本名が分かっても何となくこっちのほうが呼びやすくて読んでしまっている。



「全くアイツは!ホントすみません」
「いや君が悪いわけじゃない」
「でも恋人がしたことですし…」



ごにょごにょ。顔を赤くしてテレテレ。

あれ?またノロケのだしにされてる?

その様子を見て、仮にも左近のせいで失恋をした陣左は年甲斐もなくイラッとする。



「でも何とかして誤解は解きたいな」
「そうですよね。高坂さんが僕のこと好きとか…何で勘違いしてるんだか」



そうだそうだ。私は



「わんころくんが好きなのに」



嫉妬で呟いた一言に左近が振り向く。



「…え?」



まさか、とでも言いたげな表情。
そりゃそうだ。こんな年が離れているのに十歳の子供に恋をしているなんて驚き以外の何物でもない。でも実際恋をしている。それは事実。
そして目の前にいるその子の恋人に嫉妬しているのも事実。



「私はわんころくんが好きなんだよ」
「え?団蔵を?まさか…」
「そんなわけだから誤解されたままじゃ困るんだ」



ずい、と顔を左近に近付ける。額と額がくっついてしまいそう。



「諦めようと思ったが無理だった。悪いな」



宣戦布告ともとれる言葉に左近の目が大きく開く。
自分のことを好きなわけはないと分かっていても、まさか団蔵のことを好きだとまでは思わないだろう。

言葉も出ない左近をおいて陣左は忍術学園を後にする。
途中、わんころくんを目撃できたのが幸いだ。やっぱり犬みたい。

誤解が解けてからが本番だ。








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