07/16の日記

13:44
こへ+団@ 年齢逆転
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小平太が帰って来ないので捜しに行って欲しいと山田先生から頼まれたのは、日が少し傾き始めた頃だった。
虎若、金吾、団蔵の三人で明日提出予定のプリントをこなしていたが筆が止まる。



「小平太を?どうしてです?どこかにさらわれたんですか?」



同じ体育委員会の金吾が尋ねる。山田先生は「いやいや、すごくくだらないんだが」と前置きしたうえで話し始めた。

本日、七松小平太含む一年ろ組は体力づくりも兼ねて裏山をランニングしていたらしい。
しかしいつものランニングコースが途中で土砂崩れで行き止まりになってしまっていたため、急遽コースを変えたそうだ。

が、ここで問題が発生。

小平太はみんなより遥か先を走っていたためにこのことを知らない。故にどこへ行ってしまったのか分からない。
とは言え裏山、授業が終わるころには戻ってくるだろうと考えていた先生だが一向に戻ってくる気配はない。まあ待て体力だけはある小平太だ、昼ごろには戻ってくるだろう。しかし来ない。

そして今の時間になってしまったのである。



「さすがにこの時間まで戻ってこないとなると、どこかで怪我でもしてるんじゃないかと思ってな」



多分大丈夫だろうが。そう付け加えられるあたり、あまり心配されていない。
しかし金吾は別の意味で顔を青くしていた。



「…どうしてもっと早く捜しに行かないんですか…」
「すまん、金吾は小平太と同じ委員会だったな。心配するのも無理はない。心労をかけさせてしまって、」
「そうじゃなくて!」



青い顔をしたまま立ち上がった。その勢いに虎若と団蔵はびっくり。



「アイツ…一年のくせに体力だけは六年並、下手したら六年以上あるんですよ。その小平太を半日も放置しといたら…」



どこまで行っているのか見当がつかない!

ヒイィと小さく絶叫する金吾。普段は物腰柔らかな金吾がこんなに取り乱すなんて、小平太の体力はどれだけのものなんだ。少しだけ興味が沸く団蔵だが反対に虎若は「僕ほどじゃないでしょ」と何故か敵対心を抱いている。火縄銃大好き筋トレも欠かさない虎若、たかが体育委員会の一年に負けたくないと思うのも無理はない。

とは言え一年生が帰って来ないとなれば捜索は必須。虎若と金吾は土砂崩れのコースを、団蔵は馬に乗って土砂崩れの更に向こうを捜すことにした。
早くしないと日が暮れる。日が高くなって来たとはいえまだまだ夜は寒い。その前に見つけ出さなければ。

団蔵は馬に跨り手綱を握る。たなびく髪はまるで空に上る煙のよう。皆が見惚れてしまうのも無理はない。
細い体で大きな馬を操り小平太を捜す。



「確かにいつも校庭走り回ってたからなー」



どこまで行ってしまったのやら。怪我はしていないといいけど。


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10:22
伝団 10万打アンケートより
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風が心地いい。
丘の上で宿題をする僕の頬を優しく撫でる。
太陽はぽかぽか陽気で温度も快適。もう寝るにはもってこいの状況の中宿題をする僕ってさすがい組。

そもそもどうしてここで宿題をしているかと言うと、団蔵がデートをこの場所に指定してきたから。そうでなければここで宿題なんてしない。
真っ白だった問題用紙は墨で真っ黒。賢いい組だからプリント一枚くらいすぐ終わる。



「ごめん、待ったー?」



腕まくりをしたまま原っぱを駆け上がってくるのは徹夜明けの団蔵。目の下には隈。



「待った待った。超待った。すんごい待った」
「あはは、わりーな」



これだけ「待った」を繰り返しても笑って済ませるあたり、僕が怒らないことを分かっているのだと思う。

隣りに腰をおろしたかと思うとすぐに原っぱへゴローン。細い手足をぐーっと千切れんばかりに伸ばす。



「遅れてきたのに横になるのか」
「いいじゃん、眠いんだもん」
「だいたい四年にもなってデートが丘の上って」
「寝るのに最適だよな〜」



そう、こいつは寝るためにわざわざデートの場所をここに指定してきた。
帳簿計算で徹夜明けのたび、ここにきては寝る。しかもデートの最中に。
僕とのデートより眠気かよ、と思わなくもないが「伝七の隣りで寝ると気持ちいいんだよ〜」と笑顔で言われたらもうイチコロ。はいはい、とそれを受け入れてしまう。

何年も繰り返してきたこの場所でのデート。もう慣れた。



「伝七、膝枕〜」
「はいはい」



佐吉に見つからないといいな。見つかるとめちゃくちゃ冷やかされる。



「団蔵って他の奴にも膝枕してもらうの?」
「えー何いきなり」
「何となく」
「妬いてるのか?可愛いなー」



何に妬くってんだ。今の会話のどこに妬く要素があったよ。



「だぁいじょぉぶ!伝七だけだよ。他の奴にしてもらうわけないじゃん。妬くなって」
「妬いてないからしてもらってもいいよ」
「酷い恋人だなオイ」



クスクス笑って僕の太ももに頬ずり。…可愛い。



「夕方くらいに起こすか?それとも起きるまで放置でいい?」
「んー、夕方に起こして。腹減るから」
「了解」
「それに起きるまで寝てたら伝七が寂しいだろ」



にやっと意地悪そうに笑う団蔵。



「…分かってんじゃん。だったら今も寝るな。何日ぶりだと思ってんだ」
「夜は起きてるから!今日もどーせ徹夜させられんだろ?」



それは僕がお前を欲しているという意味で。

徹夜中は団蔵と一緒にいるなんてできないから、徹夜明けはずっと一緒にいたいんだよ。それって普通だろ。
なのにお前は昼に寝るからじゃあ夜に…って話になるの。
これも毎回。



「ははは、理解してんならさっさと寝な。体がもたないぞ」
「今は変なことすんなよ」
「しないよ」



その分夜にするから。



「あ、伝七」



目をつむりかけた団蔵がぱちっと開く。そしてにっこり笑ったかと思うと、



「だーい好き」
「え、いきなり何」
「徹夜中会えなくてなかなか言えなかったら今言っとく」



そうして愛を伝えて満足したのか、今度こそ目を閉じスヤスヤ夢の中へ。睡眠不足だからすぐ寝つく。



「…僕からの返事は聞かなくていいのか」



愛されていると自信があるのだろうか。まあ告白したのは僕からだし暇を見つけては団蔵と二人でいられるようにしているから、自信はあると言えばあるだろう。単純だし。

僕からの「大好き」は夜に言ってやろう。お前が「もう聞き飽きた!」って怒るくらい。



「…覚悟しとけよ」



だから今は、この柔らかな日差しのもと、お前が安心して眠れるように見守っててやるよ。








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放置後、このリクエストを見てから伝団に熱中しとる。
冷静沈着優等生伝七×わんこ型お馬鹿団蔵最高。その流れで現パロ高校生伝七×団蔵とか妄想しているが割愛。

団蔵は伝七に愛されているって分かっているから、普段みんなに絶対見せないような自分を見せてるといいなあ。で、たまに目撃されて冷やかされてる。うまうま。

リクエスト消化がものすごく遅くなってしまい申し訳ありません。
リクエストありがとうございました!


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