遙か平安の時参章

□幕弐夢
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遙か平安の時―幾千もの時を経て―挑戦編【紅い月夜】





(颯)「最近平和だよねー」



『平和…んまぁ平和だね』



昼間はな!



あたしだって夜ゆっくり寝たいよ!



だけどさ!



(武)「任務が終わって間ないのにすまないの」



『いえ』



(武)「今回、ワシからの依頼だ。最近、妖が人の中に入り徐々に生気を吸い取るなどの悪さをするのが多くてな。妖に付かれたものは性格が変わってしまうそうじゃ」



『性格が変わる…』



(武)「帝に近い者などに付かれても困るでな、封印して回ってほしいのだ」



『分かりました。ではそれはいつから?』



(武)「行動はお主に任せる。でも、昼間は目立つからの、夜動いた方が良いな。人の目もある。お主がお主と分からぬように行動して欲しい」



『私と分からないように…ですか?』



(武)「夜中に女子1人で出歩くのも噂としても宜しくない。いくらお主が武士団所属の術が使えるからと言ってな」



『はぁ…』



じゃあ何故あたしに?



(武)「何故、お主に頼むのか」



『ッ!』



(武)「お主は力がある。そこらの陰陽師とは比べ物にならぬ力がな。五行の虎を降ろし、尚且つ武術にも長けている。術の力としては、明久の方が上なのは分かるであろう?生きている年月とその勉強をして来た年月も違う。それにの、明久には小夜と2人の子に少しでも時間を作ってやりたい」



『私も、分かります。小さな子には親が必要ですから』



(武)「それとの、お主には今までの姓をここにいる間は名乗らぬ様にしてもらいたい」



『高橋の姓を…ですか?』



(武)「今は居らぬが、この屋敷にもかつては“聖華”がおってな」



『明久と双子だった』



(武)「あぁ。その子として今いて欲しい。色々と複雑での…明久と同じ気を持ち同じ様に力を持っている。明久の未来の姿と説明しても納得しない者が多い。こちらにとっても、お主にとっても好都合になる」



『…分かりました』





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