遙か平安の時参章

□幕陸夢
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遙か平安の時―幾千もの時を経て―挑戦編【囮の花嫁】




(道)「貴女に、お話があって参りました。私と、夫婦になって下さい」



『えっ?』



(昌・圭・桃・颯)「ッ!」



『ええぇッ!?』



(道)「ずっと、貴女の事を見て来ました。走っている姿や犬達と戯れている姿。名も知らぬ貴女に心を奪われました。どうか、私と夫婦になって下さい。」



『きゅっ急過ぎてちょっと…。えっと…申し訳ございません。私は、はいとは言えません』



(道)「何故です?もう、決めた方が居るのですか?」



『いえ、いません』



(道)「では、何故?」



『私は、何方とも婚儀をする気はありません。絶対。』



(道)「絶対とは、何故言いきれるのですか?」



『私は女人ですが、武士団に入っています。何れこの京の地を離れます』



(道)「移動があるのですか?」



『そうではなく、個人的に。その時が来たら、私は京の地を離れます。それが明日なのか、数年後なのか分かりません。この地を離れる身、家族など作れません。』



(道)「私は、貴女が行く所、何処へでも付いて行きます!例え、行き先が地獄であろうとも」



『恋は盲目と言います。簡単に地獄などと口にしては行けません。私は何を言われようと、誰とも添い遂げるつもりはございません。お引き取りください』



(道)「私は諦めません!振り向いて頂けるまで、私は貴女に想いを告げに参ります!」



『参ったな…。どうしたら諦めてくれるんだろ』



と言うか、何故あたし!?





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