遙か平安の時参章

□幕拾夢
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(颯)「聖華達、どこで見張りしてるんだろ?全然姿見えないけど…」



(女)「ッ!…貴方、どこの御方かしら?お見かけしたことの無いお顔ですが?」



(颯)「?…私は武士団の者です。本日は警備でこちらに呼ばれております」



急に何だろこの人?



(女)「貴方、お名前は?」



(颯)「颯輔と申します」



(女)「姓は?何処のお生まれかしら?」



(颯)「…私は…。1番南の地区の貧しい生まれで姓は御座いません」



(女)「南!?お年は?」



何でこんなに質問されるの?



(颯)「あの…何かお気に障るような事をしましたでしょうか?」



(女)「いえ…少し気になったものですから。失礼します」



(颯)「…何だったんだろ?変な人だな」





圭介のお兄さんの事でプンスカしている間に、奉納の舞が始まろうとしていた。



絶対、こんな場面に立ち会う事は無いだろう。



貴重な経験だ。



演奏である和楽器。現代ではなかなか聞く機会も無い。



舞だって、見る機会ないだろう。



舞台に舞手である男性が上がって行く。



和楽器の音色に合わせて踊って行く。



何て言葉にすれば良いのだろう…。



言葉に出来なくて只、その舞手から目を離せずに見入るしか無かった。






遙か平安の時―幾千もの時を経て―挑戦編【奉納の儀】






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