遙か平安の時参章

□幕漆夢
5ページ/6ページ


(?)「聖華!」



『ッ!桃吾!』



(桃)「お前、何だその格好は!?」



『助けが来るのを待ってたけど、待ちくたびれたから動ける格好で逃げ出してきた所!』



(桃)「遅くなって悪かったな!」



『いーえ!助けに来てくれてありがとう!』



(桃)「どういたしまして!」



(祈)「アンタ、姫さんの護衛か?悪いが、こっちに姫さん渡しちゃくれねぇか?これから俺達祝言を挙げるんだ」



(桃)「はっ!?祝言!?聖華、お前何してんだ!?」



『向こうが勝手に言ってるだけだから無視無視!!!桃吾、武器借りるよ!』



(桃)「あっおまっ何で隠し武器の事知って!?しかも1つ2つならず4つも!」



『今はそれより目の前の敵!桃吾は、周りの雑魚お願い。あたしは、頭をやる!』



(桃)「普通逆だが、まぁ良い。行くぞ!」




『うん!』



(祈)「戻って来たか。さぁ、姫さん。俺と戻ろう」



『悪いけど、あたしは帰るよ』



(祈)「帰る必要は無い。ここで一緒に暮らそう」



『悪いけど、あたしにはあたしの居場所がある。でも、ここじゃない。見ての通り、あたしは普通のお姫様じゃない。これでも武士団で上から数えた方が早い地位に居る』



(祈)「俺と一緒に居りゃ、刀を持たなくていいんだぜ?」



『あたしは、望んで刀を握って毎日鍛錬に励んでる。あたしは、他のお姫様同様に大人しく籠の中の鳥になっているつもりは無い。貴方が引いてくれないのであれば刀を交えることになる』



(祈)「悪いが、そりゃ出来ねぇな。俺は女や子に刀を向けるような事は絶対しない。手を上げるなんざ以ての外!」



『貴方に愛され一緒になる人は幸せになるね』



(祈)「俺が今好いてるのは姫さん、あんただ」





.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ