〜if〜
□進撃の巨人
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「女型・・・アニさんなんだって?」
「え・・・」
私の言葉に驚くアルミンの様子から、それが真実であり、アルミンが確信している事を私は悟った。
「そっか・・・おねぇちゃんか」
私は食堂に入り、奥の席に腰掛けているアルミンの隣に座った。
申し訳なさそうに俯くあるミンに、私はもたれた。
「ちょっとだけ・・・いいかな?」
アルミンは黙って頷いた。
私は笑ってありがとうとだけ言った。
「そうか。」
「・・・僕は彼女に何もしてあげられないのがなんだか悔しくて」
「・・・こんな時代だからね」
「でも・・・もし、貴方が超大型なら・・・僕は貴方を倒せない」
アルミンはエルヴィンに抱かれながら、エルヴィンに告げた。
エルヴィンは笑った。
「それは物理的にかい?」
「・・・そうであっても、なくても。僕は貴方を殺せない」
アルミンがまゆを寄せる。
その悲痛を痛感させる表情に、エルヴィンはアルミンを抱きしめ、呟く。
「安心しなさい。私は人間だ」
アルミンはエルヴィンの胸に顔をうずめて、小さく頷いた。
「リヴァイはいつもこんなものを背負っているのか」
何かを噛み締めるように言うエルヴィン。
アルミンがその意味を諭す事も、その意味を連想する事も無かった。
それでもアルミンは、エルヴィンから何かを感じ、ただただ今のささやかで慎ましい幸せを噛み締めた。
END