-夢編-
□サラサラと天然と優しさ
4ページ/7ページ
日吉くん、髪直してあげたいなぁ…触ってみたい。
「ねー、日吉くん、頭触ってもいいかなぁ」
「後でなら好きなだけどうぞ」
「やったー。で、次は?」
日吉くんは、急に黙り込んでしまって、なかなか返事がないから、正面に立ってみた。
「日吉くん?頭痛い?大丈夫?」
「いえ…頭は痛いですが、ある意味で」
…あれ?なんで私は日吉くんとくっついているのだろうか。
「先輩、俺の彼女になってくれませんか」
「…え?」
「俺、先輩のこと好きなんです。四六時中頭から離れなくて、きっと先輩が変人だから印象が強いだけだとか思ってみてもそうじゃなくて…俺、はじめて人を好きになれたんです。先輩、好きな人いますか?」
だんだん肋にかかる圧力が上がる。
…日吉くん、苦しい。
それ以上に、君の想いが、苦しい。
「日吉くん、最後まで黙って聞いてね。彼女にはなるよ。私も、日吉くんのことは好き。でも、私の初恋はまだ。日吉くんなら、わかってくれるよね?人を、好きになれない辛さ」
「わかります…苦しくて、どこまでも黒い…」
「でも日吉くんなら、変えてくれるかもしれない」
「え?」
「私に、初恋、させてくださいね」
「…はい。努力します」