-BL編-
□卑怯者
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カップは生温く液体を満たす。
「財前、顔あげてみ?」
「なん…ん?」
財前が体を起こすと、裏返された携帯を渡される。
何気なく、ひっくり返して、メール作成画面だと気づく。
「…え?」
「…応えてくれへん?」
「え、でも、俺」
「今言うなんて卑怯や。わかっとる。けどな…どうしても、一番近くで慰めたいんや」
その言葉に、財前の目には涙がたまる。
「はっ、俺、ダサいっすわ」
涙を見せないように、目を覆う財前。その隙を見て、ユウジは身を乗り出した。
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