-BL編-
□近すぎて遠い。
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俺の好きな人は、いつも横におる。ずっと一緒で、回りからもラブラブやって言われて、ソイツも俺のこと好きや言うてくれる。
けどな、その好きがどの種類かなんて、わかりきっとる。小春には、ネタでしかあらへんのやろ？俺が本気なん、わかってへんのやろ？
「小春ぅ〜、おっはよーさん!!」
「おはよ、ユウくん♪」
また今日も、ラブラブな空気を醸す。ホンマは、ネタやなくて、もっと近くの立ち位置が欲しい…。
「だぁい好きやで、小春♪」
「うちも好きやで、ユウくん♪」
せめて、届かへんなら、言葉にだけでも想いを込めて。
――――小春、好きや、大好きや。愛してる。
「あら、イイ男…ロックオン★」
「浮気か!!」
たまに他の男の話をされて、当たり前に嫉妬して…俺なんか、眼中にないんやろ？小春が俺みたいなん好いてくれるわけないねん。
勝つための…勝つための作戦なんやろ？
好きやから、幸せを誰よりも願う。
だけど…今は、テニスをしてる今だけは、俺だけのもので居って？俺とだけ、仲ようして？
「…ユウくん」
「小春？」
「ん、なんもないわ。呼んだだけ」
「体調悪いん？大丈夫か？」
「平気や。さっ、今日もわらかして行くわよぉ！」
切ない声。心配や。心配や!!空元気なんバレバレやないか!!
何があったんか聞いても、上手くはぐらかされて、聞けずに時間が過ぎていった。
もうすぐこの関係も終わりなんやな。
小春は外部の普通科の進学校に行くんやて。俺はいわゆる有名私立大学の芸術学部の附属高校。オトンが行け言うから。
進路も違うし、もう会うこともなくなるんやろな。
高校デビューで俺もオカマになろかな？
俺が惚れる人は、先にも後にも、小春だけやから…。