-BL編-


□近すぎて遠い。
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ついに来てまう、卒業式。
ウチの気持ちも、今日で区切りつけなアカンな。

「―――金色小春」
「…はい」

―――区切り、つけるんやで、自分。
これを受け取ったら、中学生活ともサヨナラなんやね…。

受け取って、振り返ったら、ユウくんと目があった。でも、今は見つめ合うわけにもいかんのや。どうにか、どうにか逸らして、壇上から降りた。

ふと思い出されたユウくんとの生活も、思い出の一頁に収まってまうんやろか。特別やった、最後の一年間。ユウくんとのダブルスで、笑いをとった試合も、滑った試合も、勝った試合も、負けた試合も、全部…全部、特別なんや。

――これから先も、ずっと…

こんな想い、無駄やって、頭ではわかっとる。
わかっとるんや。

けどな、ウチもまだまだ子供やね。心がついていかん。

寂しいし、辛いし、手離しとうないって叫んどる。

けどそれは、ユウくんを困らせるだけやから…この気持ちも、思い出の一頁に挟み込んで、開く度に思い出せばエエ。

…忘れてまえ。

今は卒業式の最中やから、いくら泣いたって誰も気にとめへんやろ。

せやから…せやから、今だけは…ユウくんを想って、泣かせてくれや…。
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