-夢編-

□近所の幼馴染み
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………テスト勉強する気にならない。困った。まあ別に中学程度の試験ならたいして勉強する必要もないが、提出課題なるものがあるワケで。

「…やりたくない」

シャーペンをベッドに放り投げ、椅子の背もたれに思いきり体重をかけて反る。
ギシッ。やばそうな音がして、慌てて体を起こした。

「財前…は返信来ないな。白石…はめんどい。忍足は…早いし長い。やめよう。小春ちゃんと健ちゃんは申し訳ないし、千歳はトトロの絵文字しか送ってこないから却下。金ちゃんは携帯持ってないし、銀さんは修行中。ユウジは…ユウジなら大丈夫そうだ」

暇だから誰かにメールしようと考えを巡らせれば、こんなかんじ。
ユウジはふざけ合う友達のなかで一番気が合う。と思ってる。私は。ま、付き合い長いし。

『なー、テスト終わったらデートしよー』

デート。別に恋人でも何でもないただのボケだ。ツッコミ待ち。
しばらくして返信が来た。面食らった。

『吉本新喜劇見に行きたい。連れてけ』

…え?ツッコミは?ツッコミは?

『金ないわボケ。てかちゃんとつっこめやアホォ』
『肩透かしや。ざまあ』
『氏ね!』
『しなすど!』
『なす!』
『すいか!』
『かめら!』
『らくだ!てアホかァァァ!!』

三回目にしてようやくツッコミ。遅いわボケ。

『乗ったお前が悪い』
『うっさいわ。てか勉強せぇや』
『やる気でないからちょっかい出してんの』
『じゃあ今から課題持って俺ん家来いや。メールしてたら進まんわ』
『え!いいの?ほんとに行くよ?』
『おー。ついでに教えろ。英語が微妙なんや』
『おけ。5分で行く』

バタバタとワークを鞄につっこみ、家を出た。徒歩1分。三件となり。←え

「ユウジー」
「入れや。開いとるわ」
「数学教えてー。わかんないとこないけど」
「ないんかい!」

そう、このテンポが気持ちいい。ユウジは最高の相方だよ。



ユウジから、
「なぁ、そろそろ俺とコンビ組まん?ああ、漫才やのうて、人生の」
なんて言われるまで、あと2時間。

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