置き場
□白石×財前
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突然、校内放送で呼び出された。しかも、生徒指導室。まあオサムチャンやから部活のことやろうけど…なんや、嫌な気ィするわぁ…。
そんな俺の期待を裏切ることなく、オサムチャンと対峙して椅子にも座ろうとしない財前の姿があった。表情は、いつもよりいくらか固い気ィする。
「白石ぃ〜、任したで。財前くんは俺には話したくないんやて。部長になら話せる言うから、お前で解決してや。あー、なんや教師の力が要りようなら手伝うたるからな。ほな、よろしゅう。行ってよし、なんてな」
のんきなオサムチャンは、某金持ち学校の顧問の真似を決め、出ていってしまった。俺は立ち尽くす財前の肩に手をおいた。
「財前、俺になら話せるんか?」
「………」
無表情を決め込み、窓の外を眺めている。いや、見つめているの方が正しいか。微動だにしないその姿は、拒絶を意味していた。しかし、俺はそれを許すわけにはいかない。
「財前、部室行くで。午後の授業はしゃーないわ。話聞くまで逃がさんから、覚悟しぃ?」
「………」
無言で歩き出す。部室なら話す、ということなんか?
俺は先に行っているように言い、オサムチャンに欠席の連絡を頼んだ。何やら文句を言っていたが、この際気にしていられない。今は財前。それだけや。