置き場

□桑原と丸井と。
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「おーい、そろそろ起きろー。遅刻すっぞ」
「んぐ…おはよー、じゃこー…」
「それやめろ。ほら、これ飲め。目が覚めるぞ」
「ん…んきゅ!?ぷはっ冷たい〜〜〜〜!!」
「当たり前だろ…氷水だぞ?グラス持ったときに気づかなかったのか?」
「気づかなかった…」
「まあいい。そろそろベッドから降りろ。もう丸井が朝飯作ってくれてる」
「ん…あと5分…」

もぞもぞと布団を被る嵯峨野。どうしようかと悩む桑原。そこへ。

「せっかくの料理が冷めるだろぃ!起きろよ。ほら、いくぞ、せーのっ!」

スタスタと入ってきた丸井が勢いよく布団を剥がした。

「うぅ〜、さむいよー…」
「なら早く着替えろよ。あんまりジャッカルを困らせるなよ、暁」
「はーい…あ、今日の講義って何時からだっけ?」
「今日は午後からだろ。確か教養だから一緒だよな?」
「たぶんそうだろぃ。っつーわけで、暁、前回のノート貸してっ!!」
「着替えてからでいい?」
「助かるっ、さんきゅーな」
「着替えるなら出てくけど、ちゃんと着替えろよ。二度寝とかするんじゃねぇぞ?」
「わかってるよー」
「さっさと来いよ、料理が冷める前にな」
「うーい」

世話焼きな二人に甘えて生きている嵯峨野。しかし、勉強を見てやっているのでそこは助け合いなのだ。

「改めておはよー」
「はよ。今日は食パンあったからフレンチトーストにしてみた」
「相変わらず美味いな。甘すぎなくて」
「わー!スゴい!!朝ごはんにフレンチトーストなんて食べたことないよ〜」
「甘さ控えめにしてあるからな。足りなかったらメイプルかければOK。かけすぎんなよ?」
「うん、つけながら食べる。んー、おいし〜♪」

食事は丸井が、家事は桑原が、勉強は嵯峨野が担当している。
とはいえ、それは粗方の決まりであり、それぞれが手伝ったりもするわけだ。

「野菜も食えよ。今日は生野菜にしてみた」
「えー、トマトきらーい」
「そういわず食えよ。トマトがかわいそうだろ?」
「なんだよー、ジャコーはトマトの味方すんのかよー」
「お前の健康のためだろぃ。じゃあトマトが好きになるような料理そろえてやるよ、夕飯に」
「お、ナイスアイデアだな」
「えー?トマト尽くし?今トマト高いよね?」
「うんにゃ、今下がってるから安い」
「らしいな」
「ふえぇ…」
「大丈夫だって。ちゃんと食えるもん作るからよ。ん、食いおわったら皿さげてこいよ」

そういって、嵯峨野の頭をぽんっとしてから食器を下げる丸井。

「よし、ごちそーさまでした。そんで、今日はトマト克服しよう!けどトマトジュースはやだよ。あれ飲んで嫌いになったんだから」
「確かにトマトジュースは当たりはずれあるよな…」
「俺のお手製の飲んでみろよぃ。今日の講義中にレシピのことばっか考えるかもしんねーから、あとで頼むかも」
「ん、OK。まとめノート作っとくね」
「あ、それ俺にも見して。暁のノート見やすいんだよな」
「いーよー。簡単な講義もするから二人まとめて聞いてね」
「サンキュー」
「ありがとな。あ、そろそろ掃除しねぇと。ブン太、部屋片付いてっか?」
「あー…暁、任した!」
「了解!けど自分の部屋もだから、ジャコー、待っててよ?」
「わかったよ。早くやってこい。リビングと俺の部屋を先にやっとくから」
「はーい」
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