置き場

□白石蔵ノ介と。
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「あ、暁も四番なん?ほな俺とやなぁ、よろしゅう!」

ひらひらとくじの紙を振りながら、白石は嵯峨野に笑いかけた。その姿に、嵯峨野はホッと胸を撫で下ろした。

『あ、部長とか!よかったぁ…金ちゃんとかだったら置いてかれそうなんだもん。』
「あながち、間違いやないな。ほら。」

指さす先には、遠山、財前ペア。

「ざいぜーん!いっくでー!!」
「待ちや。」
「ぐえっ!痛いわー!離してやぁー!!」
「はぐれるからあかん。おとなしくせな、インスタント毒手で殺すで。」
「げ、毒手!?いややー!おとなしゅうするから、な?な?」
「ん、エエ子や。手ェ離したらあかんで?」
「わかっとるー!」

手を繋いで、暗闇に消えていく二人。

『部長、財前氏はなかなかの子供好きと見た。』
「せやなぁ…なんやかんやで金ちゃんが一番なついとるかもしれん。」

財前の意外なスキルに驚きつつ、嵯峨野がひとこと。

『時に、白石部長。』

どこかおかしい口調に、ちょっと笑いつつ、白石は平静を保って返す。

「なんや。」
『こんな夏の真夜中に墓地を歩いたとしよう。』
「おん。」
『確かに、肝だめしにはなるだろう。』
「?何が言いたいねん。」

くどい言い回しに、白石は首をかしげた。

『ここにいないメンバーに一抹の不安を覚えます!!』
「ああ、ユウジと銀か。あの二人は驚かし役や。」

あっさり納得。

『あと忍足氏の肩の上のアレ!!』
「アレはイグアナや。」
『いやいやいや、認めたらアカンとこ!!』

ぎゃあぎゃあと騒ぐ嵯峨野に、白石は気がついたようにニヤリと笑った。

「暁、怖いん?」
『ぎくっ…べ、別に怖くなんか…ないもん!』
「ほー…ほな手は繋がんでもエエんやな。ほな行くでー。」
『あ、ま、待ってよ〜!!』

すでにみんな出てしまったため、誰もいない墓地の入り口。唯一の灯りである懐中電灯を持った白石に、慌てて追いついた。
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