-日常編-

□めんどくさいハイテンション白石
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朝のSHRの時間。
斜め前の白石の様子がおかしい。
膝に手を当ててなんだか固まっとる。
突然くるっとこっち向いて、他の奴らに見えんようにその手を見せてきた。
真っ赤やった。
顔を見れば、やってもうたー、と言わんばかりの苦笑。
SHRが終わるとすぐに保健室に行った。
女子がなんや騒いでたけど俺は知らん。


1限に遅刻してきた白石。
終わってから声をかけてみた。


「白石ー、どないしたん?」
「それがなー…聞いてくれや!今朝な!なんっもないとこでこけてん!!」
「…は?」
「せやから、自転車でこけたんや!なんっもないとこで!あーもう!むっちゃはずいわーーーー!!!」
「あー、まあええやん。無事やし」
「膝抉れとるしハートブロークンや!ぜんっぜん無事やあらへん!!」


なにやら突然高いテンションで叫びながら悶え始めた。
え?なにこれ。コワイ。


「あー、もう無駄や!しばらく走るんも辛いし!何より流した血と!治療の時間と!労力が!無駄や!無駄無駄無駄無駄ああああああ!!!」
「しっ、白石っ!落ち着け白石っ!!」
「しかもっ!何が悪かったんやろなって先生に聞かれて素で『星の巡りが悪かったんですよ』って答えてもうたうわああああああ!恥ずかしい!恥ずかしすぎるっ!」


しばらく、もう嫌やお家帰りたい騒ぎをする白石をなだめた。
だんだんアホになって、しまいにはテンション振り切れたらしい。

「蔵リン生きてけないっ!!」
「じゃあ死ね!」
「謙也!お母さんはそんな子に育てた覚えはありませんっ!」
「お母さんちゃうわ!」
「もうっ!蔵リンぷんぷんやでっ!」
「あー、はいはい。ぷんぷんやなー。ほなおとなしくしよなー」


周りの女子が可愛いだなんだと騒いでいるが、なだめる気にもなって欲しい。
何を言っても聞いてへん。
しかも反応しなかったらしなかったでうるさい。


「なー、謙也聞いとるん?」
「おー、聞いとる聞いとる」
「でなー、───」


同じことを繰り返し繰り返し。
午前中はずっとこの様。
で、昼休みがあるわけなんやが。


「謙也、俺は帰る」
「…おー」
「もうお家帰りたい。帰る」
「…お大事になー」
「先生に言っといてやー。連絡間に合わんと思うから」
「はいはい。ほななー」


そして、また変なテンションで帰って行ったわけだが。
妙なメールが。


『打撲やって〜[痛]ヽ(~ ~ )悟』


…なんやこの顔文字。
悟り開いたんか。
まだこういうんならわかるねん。
(/●□●)/⌒[痛]
あー、痛いの痛いのとんでけーってやつやなーって。
けどな。
あの顔文字は知らんで。
まあ…お大事にと字だけで返して電源落とす俺も俺やけど。


教訓、テンションの高い白石は厄介なので、適度にかわしましょう。

この先、付き合い長いんやろなぁ…ま、楽しそうやからええか。



───

今日、自転車で転んだのは私です(笑
いやー、同じ学校の人達がいるところで転ぶのはとても恥ずかしい。

でも、きっと白石は転ばないw
最初は謙也が転んでたんだけど、蔵リンぷんぷんやでって言わせたかったので白石に転んでもらいやした。

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