-BL編-


□七夕
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窓の外に目を向けると、曇り空から白く靄が舞い降りている。

「雨、か…」

普段は飄々としている日吉も、七夕を気にしたりだってする。
想いを寄せるあの人と自分を、七夕の二人に重ねていたのだ。
自分達は…結ばれるはずもないのだが。

(織姫とか彦星とか知らないけど…会いたいなら天気ぐらい調節しろよ…)

なんて理不尽なことを思いながら、ボーッと外を眺めてた。
外を眺めても、さして強くない雨が降り続くのみ。
思考は、やはりあの人のことで………

───ピンポーン

「チッ」

ただでさえじめじめしている。
この部屋から出たくない…
しかし、この家は留守だ。
俺が出なければ。

「(誰だよ)はい」
「俺様に不機嫌な対応とはどういうことだ?あ〜ん?」
「あ、跡部さん!!」

心臓止まるかと思った…
まさか跡部さんのこと考えてたなんて言えない…

とりあえず玄関へ向かった。
もちろん、いつものキャラに戻して。

「…どうしたんですか」
「雨で予定が潰れたからな。俺様に付き合え」
「…わかりました。ちょっと待っていてください」

とりあえず玄関に入ってもらって、着替えるために自分の部屋へ…そのままベッドにダイブ。

(うわぁぁぁぁ…跡部さん…俺の心読んだんですか!?あ、でも…あの車ならテニス部レギュラーくらいなら乗れるか。やっべ、俺恥ずかしいやつじゃん!!)

赤みを帯びた頬をぺちぺちと叩きながら、日吉は出掛ける用意をした。
思ったより、手間取ってしまった。

「日吉ぃー」
「は、はいっ」
「大丈夫か」
「はいっ…っわぁ!!」
「日吉っ!?」
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