-BL編-
□七夕(続)
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(視点:日吉)
今は…何時なのだろうか…
寝苦しくて目を覚ますと、薄暗い。見たことの無い部屋だ…ん?見たことの無い?ふと横を見ると、すぐ近くに跡部さんの顔が。
「うわぁ!!」
「…んん、耳元で騒ぐんじゃねぇよ」
うるさいと言う顔で起き上がる跡部さん。俺の動揺は増すばかり。
「あ、ああああとべさん?」
「跡部、な」
「なな、なんで?ここは?いつ?」
オロオロとする俺に対し、落ち着き払っている跡部さん。
「日吉…」
「え?あ?」
「落ち着け」
聞こえた、と同時に俺の体は抱き寄せられた。
「ったく…可愛い奴だな。まず、これを離せ」
「へ?」
跡部さんの袖を、俺の右手がしっかり捕らえていた。
「ぅわ!!ごめんなさい!!」
あわてふためく俺に、何も言わずに跡部さんは歩いていってしまった。俺は怒らせてしまったんだと思った。どうしよう…