-BL編-
□[ピアス]
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[視点:越前]
今、俺は大阪に居る。
どうしても会いたい人が居て、1週間だけアメリカから戻ってきた。
最初の3日間は東京で過ごした。
残りの4日間は、大阪で過ごす予定だ。
何故なら…
「…! 光先輩!!」
「え?あ、リョーマやないか。あ、今日やったんか」
「…覚えててくれなかったんスか」
ちょっと不機嫌な顔を見せれば、困ったような顔をする。そのあとにふっと笑って。
「冗談や冗談。もちろん覚えとった。部屋も片付けてあるで。どうせ、寄ってくやろ?」
「もちろんッスよ」
いつも聞いていた、敬語の関西弁じゃないから、最初は慣れなかった。
でも今は、すごく懐かしい。
「リョーマ、顔、ニヤけとるで。キモいわ」
「ひどくないッスか…当たり前ッスよ。逢えて嬉しいんスから。無表情にも等しい光先輩がおかしいんスよ」
いつものやり取りがこんなにも顔を緩ませるなんて思ってなかった。
やっぱり、光先輩が好きなんだな、俺。