-夢編-

□作詞作曲in準備室
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ほの明るい空。と言えば聞こえは悪くない。
薄曇りの空。と言えばどんよりと聞こえるから不思議だ。
そんな言葉の魔法を紡ぐ、我らが軽音楽部。
なんて厨二な紹介文はやめにしようか。

現在、音楽準備室にて新曲制作中。
向かいの机では、ギター片手にイケメン財前くんがBメロ作成中。
私はここで、Aメロの歌詞作成中。
私は軽音楽部の歌詞制作担当者。
創芸部は出展があるからやめたんだ。
歌詞は、みんなからのアイデアが入るから、書いていてすごく楽しい。


「なぁ、ちょお聴いてくれん?」

「あ、聴く聴く」


あー、うん…ん?


「なんか、違和感ない?」

「せや、違和感がなぁ…なんなんやろか…」

「ちょい楽譜見して」

「ん」


なんだろう…真ん中辺りに違和感があったから…あ、そうだ。


「も一回弾いて」

「おぅ」


…うん…うん…あ、わかった!!


「財前くん、この音が気持ち悪い。4小節目」

「あー、ここな…んー…」


またヘッドホンをして、色々試してる。
彼はポーカーフェイスと聞いていたが、そうでもないじゃないか。
良い音が見つかると嬉しそうにペンを走らせ、うまくいかないと書きなぐって、紙が破れるかと思ったこともあった。
そんなとき、顔全体は無表情に見えるかもしれないけど、目は色が変わるよ。


「…さて、こっちもやるか」


今回のテーマは『言葉』
みんなの好きな言葉とかたくさん集めてきた。
さっき録音したメロディーを聞きながら、歌詞を考える。
…といっても、これは試作。
全体が書き上がったら、大幅に改変するなんてのは、いつものこと。
その度に削られた言葉たちは、ファイリングしてある。
時々開いて、出番ないかなーなんて考えてる。
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