□*Praeteritum-霊王宮- *
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【尸魂界】



「平子!」


「なんや一護、見物か?
あんまりオススメせえへんで」


「零番隊ってのはどっちから来るんだ?
ていうか梨央の姿が見当たらねえんだけど…」


「今回は霊王からの命令で『霊王宮』に帰ってるんだ。梨央ちゃんは隊長だからね、仲間と一緒に霊王宮にいる」


「京楽さん、霊王宮って…?
それって瀞霊廷の中にはないのか…?」


「今にわかる」


「え?」


ドォン!!


落下した衝撃は凄まじく派手に砂埃が舞った。


「…これは…」


「天柱輦、零番隊の移動用の乗り物さ。
あの中に零番隊が全員入ってる」


「全員!?あの狭い中に…!?」


「零番隊は特別なんだ。全構成人員六人は全員が個々の力を持ち、それを霊王に認められて零番隊が結成された」


重々しく天柱輦の扉が開く。


「そして───その六人の総力は十三隊全軍以上で総隊長でも敵わない最強戦闘部隊だ」


そして扉を押し退け、一番最初に姿を現したのは…


「衝撃度が半端なかったな…」


ぐったりとした梨央だ。


「梨央!」


「やっほーvV」


ニコッと笑って一護に手を振る。


「ちょっと変なとこ触んじゃないわよ!」


「誰も触ってないっスよ!」


「あんたの汚い手があたしに触れたのよ!」


「ええー!?それは詩調チャンの気のせい…」


「気のせいですって!!?」


「こ、怖っ!!顔が怖いっスよ!」


「しらばっくれるあんたが悪いわ!!」


「あんな衝撃の中で何も触れないのは無理っスよ!つーか別に詩調チャンを触りたくて触ったんじゃ…」


「黙りなさい羽虫。」


「もはや人以下!?」


「く、苦しいよ〜…」


「ほんと狭いよね」


「揺れて気持ち悪ィ…」


「相変わらず零番隊は仲がいいね」


京楽は梨央達を見て笑んだ。


「京楽隊長」


「!」


「瀞霊廷が大変な事態に陥ってるのにも関わらず、私達は霊王宮で住民の避難に当たっていました。その間にも多くの血が流れ、多くの魂が犠牲となった。賊軍を迎え討てず申し訳ありませんでした…」


「それは違うよ」


頭を下げる梨央に京楽は責めずに言う。


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