□*Auxilium-想い想われ、追い追われ- *
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剣で斬られてバズビーの腕が吹っ飛ぶ。


「バーニング・フル・フィンガーズ!!!」


5本の指先から螺旋状に渦巻く巨大な炎を放つ。


だが…ハッシュヴァルトには届かなかった。


彼に斬られたバズビーは血を噴き出す。


そしてその足でハッシュヴァルトに歩み寄り白装束を掴む。


「…俺の敗けだ、ユーゴー。
…くそっ…思い通りにゃいかねえもんだな…」


ポタリと血が地面を汚す。


「…お前に敗けたら…もっと悔しいもんだと思ってたぜ」






























“ユーゴー”



“お前今日から俺の子分な”



“最強の滅却師になろうぜ”



“ユーゴー”


































地面に倒れ、ピクリとも動かなくなったバズビー。


そこにハッシュヴァルトの姿は無い。


ザリ…ッ


足音が聞こえた。


その足音はバズビーの前で止む。


「…………………」


死覇装を着た人物が立っている。


少しの沈黙を許し、その人物はゆっくりと口を開いた。


「…馬鹿ね」


その声は悲しそうに絞り出される。


「あんた達が戦ったら…どっちかが死ぬことになるに決まってるじゃないの」


既に息を引き取ったバズビーには何も聞こえない。


「本当…残酷な運命ね」


その人物は悲しそうに笑う。


「最初から決まっていたのよ。これがあんた達の運命。これがあんた達が辿る未来だったのよ…」


震える手をギュッと握り締める。


「ねぇもし…あたし達が死神でも滅却師でもなく…普通の人間だったら…未来は変わってたのかしらね…?」


その問いかけにバズビーは答えることは無い。


「あんたのおかげであの人に出逢えたのよ」


唇の端を上げて柔らかく笑う。


「ありがとう」


それだけを言い残すとその人物は光の粒となってその場から消えた。


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