□*Apricus-優しい恋- *
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リサちゃんとひよ里ちゃんと真白ちゃんを誘って


甘味処に行ってた時のことを思い出す



「本当に懐かしい」


目元を緩ませて小さく微笑む。


「この店だな」


「外装は昔風ですね。
なんだか落ち着きます」


「入るか」


暖簾をくぐってドアを引いた。


甘い匂いが空腹を誘う。


「座れて良かったですね」


「だな。昼時だから混んでると思ったんだが」


「やっぱりショートケーキが人気なんですね」


案内された席に向かい合うようにして座る。


メニュー表を開くと数多くのデザートが写真付きで載っていた。


「ティラミスも美味しそうだな…こっちのモンブランも…うーん…どれにするか迷う…」


ゆっくりと品定めするが甘党好きにとっては全部美味しそうに見えてしまう。


「決まったか?」


「もう少し待って下さい」


「(さっきから同じページしか見てねえな…)」


日番谷が見る限り、梨央がデザートのページ以外を開く気はないようだ。


「あ、紅茶もある」


「(まさか…デザートだけ食う気じゃないだろうな?)」


「決めました」


パタンとメニュー表を閉じる。


「ショートケーキとティラミスと紅茶にします」


「却下。」


「な、何故です!?」


まさか却下されるとは思わなかったのか、ショックを受ける。


「甘いものが食べたい気分です」


「栄養バランスが偏る」


「ぐっ」


「デザートは食後に残しとけ」


「大丈夫ですよー。
人はそう簡単に…」


「駄目だ。ちゃんと栄養のある物を摂れ」


「うー……」


「それに糖分の摂り過ぎは体に毒だからな」


「浮竹隊長にも同じことを言われました…」


「お前が体調崩すと俺も心配なんだよ」


「…そうですね。わかりました、ちゃんと栄養のある物を摂ります。デザートはその後です」


「よし」


注文を済ませて品物が運ばれて来るのを待つ。


「お待たせ致しました」


目の前に置かれたのはオムライスだ。


トロトロふわふわの卵が光っている。


その上からはデミグラスソースがかけられており、ちょっとした飾り付けにブロッコリーや人参なども添えてあった。


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