□*Apricus-優しい恋- *
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「これが絶品だと評されるショートケーキ!」


白い皿に乗せられたショートケーキ。


真っ赤に熟れた苺が飾り付けされている。


「メレンゲもふわふわ〜」


彼女の目はキラキラと輝いていた。


「食べてもいいですか!」


「どうぞ」


「いただきます!」


ふわふわのスポンジにフォークを刺し通す。


「なめらかに切れた…!」


それを口の中に運ぶ。


「っ!!」


衝撃が走った。


「お、美味しい…!!」


思わず感激してしまった。


「これは売れる」


絶対的な自信を持って答えた。


「ふ…くく…っ」


「!」


ケーキに夢中になっていると向かいの席から笑い声がした。


「隊長?どうかしました?」


日番谷が声を押し殺して笑っていたのだ。


「お前、思ってること顔に出すぎだぞ」


「!!」


「顔が緩みっぱなし」


「う…」



考えてることは表情に出さないようにしてる


それは戦闘にも影響するからだ


でも…甘いものにはやっぱり勝てないのだ



「本当…戦ってる時とは別人だな」


「そ、そんなに違いますか?」


「まず雰囲気が違えな」


「自分じゃわからないです」


「あと顔つきも違う」


「よく二重人格じゃないかと疑われます…」


「本当は二重人格だったりしてな?」


梨央は日番谷をジッと凝視める。


「…どうでしょう?」


ニコッと笑うだけだった。


「紅茶も美味しくて癒されます」


「子供みたいにはしゃいでたもんな」


「お、お騒がせしました…」


反省するように項垂れる。


「でも…」


優しい表情を日番谷に向けた。


「こんなに楽しいと思えるのは、きっと日番谷隊長と一緒にいるからです」


その言葉に日番谷はピタッと固まる。


しかも本人は自分が口にした発言に何の疑問も抱いていない。


「(っとに…タチが悪ィ…)」


これが俗に言う天然無自覚だ。


「隊長?顔を俯かせてどうしました?」


「お、まえな…」


「?」


「そういう発言は場所を考えろよ!///」


「!?」


顔を赤くする日番谷に突然叱られ、困惑する。



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