□*Apricus-優しい恋- *
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「恥ずかしいだろうが…」


怒られた理由に心当たりがない梨央は訳が分からず、あたふたして狼狽する。


「な、何かしましたか…!?」


「さっきの言葉を思い出してみろ」


「え…?」


そう言われ、脳内から記憶を呼び起こす。



『こんなに楽しいと思えるのは、きっと日番谷隊長と一緒にいるからです』



「………………」



あれ?


よく考えたら


“爆弾”を投下しちゃった…?



「っ……!!?///」


自分の言葉の意味を理解した途端、急激な恥ずかしさが襲った。


「ち、違うんです!そういうつもりで言ったんじゃないんです!あの…深い意味は全然ないんです!」


変に弁解しようとして更に墓穴を掘る。


「た、隊長と一緒にいると心が満たされるというか!好きな人と食事をするのがこんなにも幸せなものだと思わなくて…!なんかドキドキして…舞い上がっちゃってるだけなんです!!」


「…わ、わかったから…少し落ち着いてくれ…」


日番谷も恥ずかしそうに視線を逸らしている。


視線を逸らす姿に本気にしてもらえないと勝手に解釈をした梨央が慌てて弁解をする。


「た、隊長だけなんです!こんな幸せな気持ちになるのは日番谷隊長だけなんです!だから思った言葉が自然に出てしまって…!」


身を乗り出す勢いで日番谷に想いを伝える。


梨央の必死な想いに顔を赤くしながらも、しっかりと彼女の言葉を受け止める日番谷。


そんな二人の様子は当然、店内にダダ漏れで…。


「あらあら、可愛いわねぇ〜」


「あの子は本当に彼のことが大好きなのね」


「あれじゃ彼氏さんも大変だわ」


「でも初々しくて応援したくなるわね〜」


「今までの会話ぜんぶダダ漏れだけど♪」


「「「うふふっ♡」」」


遠巻きに傍観していた奥様達が微笑ましそうに見守っていた。


そんな会話が交わされていることなど当の本人達は知る由もなかった。


「あ、す、すみません…!」


ハッとして落ち着きを取り戻した梨央は椅子に座り直して恥ずかしそうに顔を俯かせる。


「自分でも…不思議なんです」


「!」


「誰かを好きになったのは初めてで…」


「俺だってそうだ」


「だから…怖いんです」


「何が怖いんだ?」


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