3
□*Equiti-見えざる帝国- *
4ページ/11ページ
「あいつらが一番強いだァ?ふざけんじゃねーよ…世界で一番強いのはこの俺だ。誰にも負けねえし、勝つ自信もある。だから腹が立ったんだよ。“殺して当然”だろ?」
「この世界で一番強い奴は存在しない」
「あ?何言ってんだテメェ…?」
伏見の表情が怖い顔に変わる。
「最強なのは俺なんだよ。だから片っ端から弱い奴を殺して強さを証明するんだろーが。言っておくけどな…今の俺はテメェにだって勝てる自信があんだよ」
「無差別に人を殺して手に入れる力は証明とは云えない。キミは何の為に強くなろうとする?」
「なんだよその質問…」
「ただ弱い奴がいると無性に殺したい衝動に駆られる…と云うくだらない理由で強さを求めるなど…無意味だ」
「じゃあ聞くけどよ…テメェは何の為に力を求める?強さを手に入れようとする?」
「大事なものを護る為だ」
そう答えると伏見はキョトンとした。
そしてすぐに可笑しそうにケラケラと笑い出す。
「ははッ!
お、お前…綺麗事ばっか並べてんのなァ!」
「何…?」
「クククッ…だからお前は弱いんだよ」
「!」
残酷な笑みを浮かべる伏見。
だが梨央は伏見の言葉に違和感を感じて驚いた表情を浮かべる。
「待て…キミはさっきから…なんのことを言ってる?」
段々と表情が青ざめていくのがわかった。
「“どのことを言ってる”?」
「…そういう表情が見たかったんだよ」
ニヤリと笑うと伏見は真っ直ぐに梨央を見た。
「蒼生は元気か?」
「っ………!!」
ガッと斬魄刀を掴む。
「おっと…いいのか?こんな所で抜いたりして」
「…キミ…まさか…」
「そう殺気立つなよ」
「何を知った」
「さあな」
「見てたのか…?」
「“何を”?」
伏見はニヤリと笑う。
「……………」
険しい表情のまま梨央は口を閉ざす。
「“見てた”って言ったら、お前は俺をどーすんの?」
「無論…殺す」
スッと目が冷たくなる。
「秘密を知られたら殺すしかないだろ」
「お前だって無差別に命を奪うんじゃねーか」
「秘密を守る為だ」
「なるほどなァ」
.