□*Praeteritum-霊王宮- *
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「君達は霊王の命令でやむを得ず瀞霊廷を離れるしかなかった。戦いたかった気持ちは僕らと同じだ。悪いのは君達じゃない。だから…頭を上げてよ、梨央ちゃん」


京楽の言葉に申し訳なさそうな表情を浮かべて頭を上げる。


「それで…どんな用件で来たのかな?」


「今回は霊王の御意思で護廷十三隊を立て直しに来ました。恐らくは…零番隊舎も無傷では無いかと。けどまず、キミを霊王宮へ連れて行く」


梨央は一護を見る。


「…梨央」


「何」


「その霊王宮ってとこに行けば俺の天鎖斬月を直せるか?」


「…それは無理だ。直す事はできない」


「そう…か…」


「だが…」


「!」


「霊王宮には宮廷内にしか存在しない超霊術がある。その業を用いて“元の刀に近いものへと打ち直す事はできる”」


「───わかった。
連れて行ってくれ、霊王宮へ!」


「お望み通りに」


梨央は唇の端を上げて笑った。

































【志波空鶴邸】



「───で、なんで俺はこんなトコにいるんだ?」


「こんなトコたあ何だこのスットコドッコイ!!久しぶりのゴアイサツがそれかよ!?うち上げてやんねぇぞ!!」


「うち上げ…って何を?」


「これだよ。
この天柱輦に自力で霊王宮に戻る機能は無い」


「なんだよ!?
超霊術があるんじゃなかったのかよ!?」


「あっはっは」


「笑って誤魔化しやがった…!」


「まだキミにお礼を言ってなかったね」


「!」


「瀞霊廷を護ってくれてありがとう」


両腕を組んで感謝の言葉を一護に伝える。


「いや…礼をされるほどの事は何も…」


一護は眉を潜めて申し訳なさそうに言う。


「悪い…親玉を取り逃がした」


「親玉…」



あの男が彼に接触したか…



「そう…でもお礼は取り消さないよ。キミがいてくれたから瀞霊廷は最小限の被害で済んだ。尸魂界を護ってくれてありがとね、いっちー」


にこやかに笑うと一護は困った様に笑い返した。


「さて…空鶴さん、頼みます」


「よーしうち上げるぞ!さっさと乗れ!」


ドンッ


空鶴の打ち上げで天柱輦は空高く飛んだ。


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