□*Praeteritum-霊王宮- *
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「うおおおおお!!!やっぱこんな感じじゃねーか!!
シートベルトとかねえのかよー!!」


「そんなの付けてたらスリルが楽しめないよ☆
まるでジェットコースター並みの面白さだネ!」


「スリルを楽しむレベルじゃねえよ!!つーかジェットコースター以上の速さ出てんじゃねーか!!安全装備も無いって…一歩間違えたら死ぬからな!!?」


「私それで何度か体打ち付けて三途の川見たよ」


「Σ今すぐ降ろしてくれー!!」


「嘘だけど♪」


「……………」


一護は恨めしげに梨央を見る。


からかう度に面白い反応をしてくれる一護に梨央は楽しそうに笑う。


「本当にキミはからかい甲斐があるね」


「(この野郎…!)」


ニコニコと満足そうに笑う梨央と、してやられっぱなしの悔しがる一護を見て雅は苦笑する。


「そんなに怒らないでよ〜」


「怒ってねーよ…」


「キミをからかうのは一種の愛情表現だ」


「アイジョウ…ヒョウゲン…」


一護は遠い目をした。


「キミは私にからかわれる宿命なのさ」


「そんな宿命あってたまるか!!そもそも俺で遊ぶなよ!?他にもからかい甲斐のある奴いんだろ!!…恋次とか!!」


「恋次くんといっちーは違うでしょ〜」


「何がどう違うんだよ!?」


「えー…わかんない」


「わかんない!?」


「たぶん…いっちーの方が面白いんだろうね」


「俺なにも面白いことしてねーけど…」


「存在自体が面白いんじゃない?」


「どんな理由で人をからかってんだ!!あのな、前々から言おうと思ってたんだけどよ…俺をからかうのはいい加減にやめ…」


「もう着くよー」


「Σはやっ!!」


ズッドン!!


「着いたよ。ここが霊王宮だ」


「ここが…霊王宮…」


「光栄に思えよいっちー。ただの死神がここに立ち入れることなんてまず無いんだから。まぁキミを“ただの死神”と言ってもいいのかは判らないが…」


「(ここが…藍染がああまでして立ち入ろうとした場所───……)」


すると一護はある疑問に気付く。


「ちょ…ちょっと待ってくれ!」


「お、質問だね。大歓迎だよ、何だい?」


「霊王宮ってのは王鍵てのが無いと入れないんじゃなかったのか!?今そんなもんいつ使った!?」


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